最新制度解説

速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

アルツハイマー病の新薬「レケンビ」の保険適用を了承

JS-Weekly No.908

#認知症 #アルツハイマー病 #新薬

アルツハイマー病の新治療薬「レケンビ」が20日から保険適用

 12月13日、厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)は、認知症の原因の一つであるアルツハイマー病の新治療薬である「レカネマブ」(商品名は「レケンビ」)の保険適用を了承した。

 薬価は、200㎎で4万5777円、500㎎で11万4443円で、体重50㎏の人の場合、1人当たりの薬剤費は年間約298万円と推計される。

「レケンビ」は、20日から保険適用される予定で、同日、エーザイが発売する。効果は、アルツハイマー病による軽度認知障害および軽度の認知症の進行抑制。

「レケンビ」の普及には課題も

「レケンビ」の投与対象となる人は、認知症発症前の軽度認知障害の人と、アルツハイマー病発症後の早い段階の人に限定されている(エーザイは約120万人と推計)。

 また、高額療養費制度の対象となるが、現役世代や現役並みの年収(約370万円以上)がある高齢者の場合、自己負担額は年90万円程度にもなるという。

 さらに、投与前の検査施設は全国に84か所(11月現在)で、治療施設はエーザイによると1000か所程度と推計されている。

 このように投与対象者が限定されていること、自己負担額が高額であることや、検査施設、治療施設が十分でないなど、「レケンビ」の普及には課題がある。