最新制度解説

速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

老健などの入所者への「ラゲブリオ」投与、臨時的に薬剤料の算定可能に

JS-Weekly No.848

#事務連絡 #経口抗ウイルス薬 #診療報酬

介護老人保健施設等での療養者への投与では診療報酬の算定が可能に

 厚生労働省は9月13日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その75)」を発出。介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設への入所者に新型コロナウイルスの経口抗ウイルス薬「ラゲブリオカプセル200mg」を投与した場合の取り扱いを示した。通常は、介護老人保健施設等における薬剤費用などは「介護報酬の中に含まれている」として診療報酬として算定できない。しかし、病床ひっ迫時に、やむを得ず施設内での入所を継続し、療養を行う者に投与した場合は、例外的に医療保険での薬剤費の算定を可能とした。施設での療養者に積極的な治療を促す狙いもある。

「ラゲブリオ」は9月16日から一般流通品として保険請求可能に

「ラゲブリオ」は、これまで国が購入した製品を医療機関に無償提供していたが、安定供給の見通しが立ったため薬価収載し、9月16日から「一般流通品」となった。他の薬剤と同様に、医療機関が卸売販売業者を通じて購入し、薬剤費を含めて医療保険による診療報酬の保険請求をすることになる(患者負担分は全額公費負担)。

 また、厚生労働省では、9月14日付事務連絡で、介護老人保健施設等での活用などに係る留意点を示している。具体的には以下の通り。

  • 国購入による本剤の配分は9月15日15時までのもので終了、9月16日以降は、通常の医薬品と同様、卸売販売業者を通じての購入となる。
  • 往診などで医療機関が一般流通品の「ラゲブリオ」を施設内で投与した場合、診療報酬(薬剤料)の算定が可能。
  • 介護老人保健施設等が卸売販売業者から本剤を購入して施設の入所者に投与した場合は、通常の医薬品と同様、診療報酬の算定はできない。

参考資料①
参考資料②