こころとからだ
こころの橋わたし
〈お悩み 12〉看取りが近いご利用者を夜勤で担当することになると、 今夜、もしものことがあったらどうしようと不安な気持ちで逃げ出したくなります。
「介」という字には「間でとりもつ」「たすける」という意味があります。
尊いお仕事をされている皆さまのこころとこころをつなぐヒントになれば幸いです。
お悩み
看取りが近いご利用者を夜勤で担当することになると、
今夜、もしものことがあったらどうしようと
不安な気持ちで逃げ出したくなります。
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妙慶
命終えていく方は本当の安らぎの中に入って往生をとげられたのですよ。
出会いに感謝して最後のお仕事をなさってください。
「ご利用者さまが亡くなっていたら怖い」と感じているあなたは、「死」に対する恐れ、奇異を感じておられるのではないでしょうか。 確かに私たちの周りには「生きている方ばかり」なので、亡くなった方を見ることには恐怖さえあるのかもしれません。ましてやスタッフの少ない夜勤のときにご利用者さまが亡くなるとなると対応の不安もあるでしょう。
私は日頃から「死ぬ」と言わず「往生をとげる」と表現しています。命終えていく方は阿弥陀如来のお浄土に生まれ来る。つまり往き生まれることを往生というのです。
今から2500年前、仏教を伝えられたお釈迦様の死に立ち会った仏弟子の方々は、お釈迦様の死を涅槃(ねはん)に入られたと受け止めました。涅槃(ねはん)とは「ニルバーナ」と言い「本物の安らぎ」という意味です。お釈迦様は本当の安らぎの中に入って往生をとげられたと弟子たちは受け止めたのです。
どんなときもご利用者さまには「今日もよろしくお願いします」と笑顔で挨拶し、もし最期のときを迎えたら「大切な出会いをありがとうございました」と合掌し、心を込めて最後のお仕事をなさってください。