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J Sフェスティバル in山口 誌上レポート11 【実践研究発表】 第5分科会 地域共生社会の実現に向けた軽費・ ケアハウスの新たな挑戦 ~目指すべき支援とあるべき役割~

暮らしを支え、地域へつなぐ力

冒頭は▶︎ケアハウスそうび苑(北海道/佐藤 舞)。「自分の最期は自分で決める!」では、“終活”を暗く構えず、前向きに学び合う機会として位置づけ、ケアハウスだからこそ可能な生活支援として提示。「終活は不安を減らすための準備であり、今をよりよく生きるためのもの」との言葉が、会のテーマを鮮明に印象づけました。続いて▶︎ケアハウス光陽ホーム(宮城/守 洋子)は、「還暦を迎えたオールド施設の進化」を通じて、「老いは退化ではなく、手をかければ進化できる」という言葉とともに、歴史ある施設ならではの底力と変化への適応を示しました。3番目は▶︎ケアハウスほっとはっと(愛知/高岡里帆)が「その人らしさを引き出す個別ケア その前に」を掲げ、心理的ケアと生活支援を結び付けた取り組みを提示。「支援の前に、まず安心して話せる関係性が必要」と述べ、個別ケアの土台を見つめ直す大切さを示しました。前半の最後は、▶︎ケアハウスウェルケア重信(愛媛/岩田 豊)。「ヤングコーン先生、発信の力で地域を笑顔に」では、自施設を地域共生社会の核となる相談拠点とするため、生活相談員自らがインフルエンサーとなり、メディアやSNSを駆使した発信で地域との接点を広げている状況を報告。「ブランディングの成功によって地域から求められる施設になれた」と話しました。 休憩後は▶︎ケアハウス・OSAKA 歓の里(大阪/北山八千代)が登壇し、「なぜ、100%になったか?」をテーマに厳しい環境下でも持続可能な施設運営を実現していく歩みを共有。「数字は目的ではなく、人と地域に向き合ってきた結果」と述べ、つながりを基盤とした経営の大切さを浮き彫りにしました。続く▶︎ケアハウスすみれ園(佐賀/冨田 淳)は、「いつまでも元気な生活を」を掲げ、“やりがい・生きがい”を具体化する仕組みを紹介。「できることに目を向け、役割を持つことで人は元気になる」との言葉が、生活のなかで力を引き出す支援の本質を示していました。最後を飾ったのは、▶︎軽費老人ホーム(A型)コーポまとば(広島/小椋 裕)。「クラブ活動と地域をつなぐ」では、居住支援を施設内にとどめず、暮らしづくり・まちづくりへと広げる実践について紹介。「ご利用者が地域で役割を持つことが、生活の質を大きく変える」と語り、地域共生の可能性を提示して、発表を結びました。 審査の結果、クラブ活動を軸に地域との接点を力強く広げたコーポまとばと、逆境から立ち上がり持続可能な運営を目指したケアハウス・OSAKA 歓の里が奨励賞に、元気なうちから自分の今後に向き合う姿勢を明るく支援したケアハウスそうび苑が優秀賞に選ばれました。それぞれの取り組みは、生活支援と経営を切り離さず、地域共生社会を実装していく力強さを印象づけました。
撮影=菓子谷 梨沙、児玉 一成、吉本 博史 取材・文=冨部 志保子、池田 佳寿子、箭本 美帆、濵口 ゆかり