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猛暑対策2026 “暑さ”から利用者と職員を守る 夏バテ・熱中症対策

年々厳しさを増す猛暑。介護の現場でも熱中症対策は急務となっています。熱中症対策を強化した「改正労働安全衛生規則」(2025年)の制度のあらましと、NPO法人渋谷介護サポートセンターの服部万里子氏や施設の取材を基に、現場で使える、利用者と職員を守る熱中症対策法をお届けします。

服部万里子
寺下すみえ

(服部氏)看護師、介護支援専門員。NPO法人渋谷介護サポートセンター理事長。介護・施設運営の豊富な経験を持ち、高齢者ケアや介護現場の課題解決、人材育成など幅広く活動。
(寺下氏)介護支援専門員。NPO法人渋谷介護サポートセンター管理者。非営利のケアマネジメントとして介護サポート事業を行っている。

改正労働安全衛生規則と介護現場に求められる対応

 最近では暑さが原因で亡くなる人も多い夏。厚生労働省では令和7年の「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」をまとめています。

 昨年6〜8月の平均気温偏差は、過去30年(1991〜2020年)に比べ2.36℃上昇。さらに、職場での熱中症による死傷者(死亡・休業4日以上)は1803人(前年比約43%増)と、それぞれ過去最高の数字となっています。

 そのような中、2025年6月1日に「改正労働安全衛生規則」が施行されました。この法改正は、介護施設の厨房や浴室、送迎、訪問介護の現場も対象に含まれます。

 対象となるのは、WBGT(暑さ指数)が28℃以上、または気温31℃以上の環境で、連続1時間以上、もしくは1日4時間以上の作業が見込まれる現場。その上、熱中症の自覚症状や異変をすぐに報告できる体制の整備、症状の悪化を防ぐための具体的な手順の策定、そしてそれらの内容を、働く全ての人に周知することを事業者に義務付けるものです。

 つまり、利用者の方々だけではなく、事業者、そして介護に従事する方々自身も、熱中症から身を守る対策が必要となるのです。

職場における熱中症による死傷者数の推移

厚生労働省(「労働者死傷病報告」より)

※1 左軸は休業4日以上の死傷者数(人)、右軸は死亡者数(人)
※2 各年の確定値は、1月1日~12月31日までの間に発生した熱中症に係る労働災害で、翌年おおむね4月7日までに労働者死傷病報告が提出されたもの

小まめな水分補給と冷却グッズの積極的な利用で職員自ら命を守る

室内・室外の出入りを繰り返すヘルパーたちの健康管理

 「実は、私自身も熱中症になりかけた経験があるんです。訪問介護をしていると『次に訪問するお宅まで近いから、暑いけれどそのまま行こう』と考えてしまうことがあります。しかし、そうした少しの無理が、身体に負担をかけてしまうんです」

 そう話すのは、NPO法人渋谷介護サポートセンターの服部万里子氏です。看護師資格を持ち、さまざまな研究論文や著書をつづる一方でNPO法人を立ち上げ、独立型居宅介護支援事業所として25年以上にわたり、地域のケアプランの作成や、介護サービスの導入サポートを行ってきました。

 「訪問介護に従事していると、炎天下の屋外と冷房の効いた室内の出入りを繰り返すため、大きな温度差にさらされますから、より体調管理に対して敏感にならなくてはいけないんです」(服部氏)

 ここ数年の異常な酷暑で、熱中症予防のためのさまざまなグッズが注目されています。事業者によってはそのようなグッズを積極的に導入しているケースもあります。

 国や自治体では、そうした熱中症対策のための物品購入に対する補助金・助成金が設けられていることも。例えば東京都では、介護事業所を対象に「介護事業者等に対するサービス継続支援事業」を導入、20万円を支援しています。渋谷介護サポートセンターでは、この奨励金を活用しているそうです。

 「私たちも複数の暑熱対策グッズを実際に導入して試しました」

 と語るのは同じく渋谷介護サポートセンターの寺下すみえ氏。どうしても暑い中を移動しなくてはならないケアマネ事業所においては、さまざまな暑熱対策グッズの活用は欠かせなくなりつつあります。

 「自転車の移動が多い私たちは、工事現場などで使うようなファン付きの作業服より、保冷剤を背中に入れるタイプの冷却ベストや、ネッククーラーなどの方が体を冷やす効果がありましたね」(寺下氏)

 さらに、服部氏が理事長を務める訪問介護事業所では、ヘルパーにクオカードを配布し、コンビニで水分や塩分タブレットなどの購入も奨励しているという。

 「飲み物を購入して水分補給をするだけではなく、“涼しいところで休憩時間を取る意識が生まれる”という効果もありますね」(服部氏)

 「その上で、一気にたくさん水分を取るのではなく、小まめに補給することが大事です」(寺下氏)

 こうした対策は、利用者との関係性によって成り立つコミュニケーションが中心となる訪問介護の現場では、特に重要となってきます。

 1人の利用者さんに2〜3カ所の事業所が入っているとはいえ、在宅の場合は、一軒一軒それぞれ事情が違います。ヘルパーが無理をすることで、利用者の方々にも影響が出てしまいかねません。そのためにも、まずは介護従事者一人ひとりが、熱中症にならないよう、対策を取らねばなりません。

高齢者のための
熱中症対策

環境省(「熱中症予防情報サイト」より)

喉が渇いていなくても
小まめに水分・塩分を補給しましょう

1時間ごとにコップ1杯、入浴前後や起床後もまずは水分・塩分を取るように心掛けましょう。

1日あたり1.2Lを目安に(コップ約6杯)

 体内水分量は
  ・小児……約75%
  ・成人……約60%
  ・高齢者……約50%

※水分や塩分の摂取量はかかりつけ医の指示に従いましょう

 

エアコンを上手に使いましょう

部屋の中でも注意が必要です。長時間、風が体に直接当たらないように、扇風機や換気扇を併用してください。また温度・暑さ指数は必ず確認しましょう。

1 体内の水分が不足しがちです

高齢者は若年者よりも体内の水分量が少ない上、体の老廃物を排出する際にたくさんの尿を必要とします。

2 暑さに対する感覚機能が低下しています

加齢により、暑さや喉の渇きに対する感覚が鈍くなります。

1 暑さに対する体の調節機能が低下します

高齢者は体に熱がたまりやすく、暑いときには若年者よりも循環器系への負担が大きくなります。

普段から利用者を観察して いつもと違うシグナルは早めにキャッチ

高齢者になると感じづらい喉の渇きと高温

 一方で、利用者の方々への対策はどう考えればいいのでしょうか。

 「まず利用者さんは、暑さの感じ方や喉の渇きが、私たちと同じではないということを理解する必要があります」と、服部氏は言います。

 同じ室温であっても、動いて作業をしているヘルパーと違って、高齢者や活動量が少ない方にとってはさほど気温が高く感じられず、中には冷房を嫌う人もいます。

 「やはり、コミュニケーションが基本となります。利用者の方々が、室温をどう感じていらっしゃるかを密に聞き出します。その上で、室温の上昇がいかに危険であるかをご説明して、エアコンで室温を一定にする。そして、利用者の食事や水分摂取量などを連絡ノートを活用して把握し、ヘルパーさん同士で共有しておくことも重要です」(寺下氏)

 また、近年では深夜まで気温が下がらない日も多く、夜に冷房を切ってしまって、熱中症になるケースも報じられています。

 「とにかく室温を一定にして、タオルケットなどの軽い布団を傍らに置いておいて、体温を調節しやすくしてもらうことですね」(服部氏)

 「温度、湿度は体調への影響が大きいので、寝る前の入浴が習慣と仰る方もいますが、可能ならヘルパーさんや看護師さんたちの訪問時間帯に合わせて入浴して頂くようお願いしています。事故の場合、早期発見につながるので」(寺下氏)

 そして最も大事なのが、水分の補給です。熱中症対策のためには、1日当たり約1.2ℓの水分を取ることが必須とされています。高齢になると、こうした「渇き」の自覚もしづらくなってくる傾向にあります。

 「脱水症状になる前には、ほとんど自覚症状がないんですね。だからこそ危険なんです」と服部氏。

 「成人の体内水分量が約60%なのに比べて、高齢者は約50%といわれています。そもそも保水力がなくなっているので、普段から十分に水分を取ってください、と説明しています。寝ている場所にも枕元に必ずペットボトルを置くようにして、習慣づけをお願いしています」(寺下氏)

 「『おトイレが近くなっちゃうから我慢する』とおっしゃる方もおられますが、その理由を聞くことが大事です。例えば、立ち上がったり起き上がったりするのが大変なのであれば、手すりを整えるなどの対策を考えましょう」(服部氏)

 こうした万全な対策を講じても、体調を崩す可能性はあります。変調のサインはどういったところから見いだせば良いのでしょうか。

 「危険のサインは、“いつもと様子が違う”という分かりやすいものだけではありません。普段から利用者さんの表情などを観察して、少しでも変わったことがあれば、すぐに対応を考えるべきです」(寺下氏)

 やはり、まずは利用者との密なコミュニケーションが重要だと、お二人は口をそろえます。

 「訪問介護の場合は1人暮らしのケースが圧倒的に多いので、人と話すことに飢えている方も多い。掃除しながらでも調理しながらでも、何げない会話でもいいので、まずはおしゃべりしましょう」(服部氏)

 これは訪問介護だけではなく、全ての職員に言えることです。

 「介護の仕事の基本は、生活を支えるだけでなく、その人を支えること。熱中症対策にも、この基本が最も大事なことだと思います」(服部氏)

 猛暑はこれからも続くことが予想されます。利用者と職員、双方を守る視点を持ち、日頃の備えと正しい熱中症対策を進めていきましょう。

利用者職員を守る熱中症対策の心得

厚生労働省(「職場における熱中症対策の強化について」より)

熱中症対策は介護現場に欠かせない備えです。利用者の命を守ることはもちろん、質の高いケアを続けるために職員の健康にも目を向ける必要があります。服部氏が勧める、暑さに負けない現場づくりの基本を確認しましょう。

利用者を守るための5ヵ条

1 「暑くない」は危険信号

高齢者は暑さや喉の渇きを感じにくいもの。「大丈夫」という言葉をうのみにせず、体調の変化を見守りましょう。

2 水分補給は“時間”で促す

喉が渇いてからでは遅いことも。起床時・食事時・入浴前後・就寝前など、決まったタイミングで声を掛けましょう。

3 “いつもと違う”を見逃さない

食欲がない、ぼんやりしている、元気がない、ふらつくなど、小さな変化が熱中症のサイン。早めの対応が重症化を防ぎます。

4 室温・湿度・WBGTも管理する

エアコンを適切に使用し、室温・湿度・WBGT(暑さ指数)も確認しましょう。窓際や上階など、暑くなりやすい場所にも注意が必要です。

5 入浴・夜間は特に注意する

浴室は高温多湿になりやすいため、長湯は避けて入浴前後の水分補給を忘れずに。夜間もエアコンを適切に使用し、熱中症を予防します。

職員を守るための5ヵ条

1 “少し無理”が一番危ない

「あと少しだから」と我慢せず、体調に異変を感じたら休憩・報告することを職場全体で徹底しましょう。

2 喉が渇く前に水分・塩分補給

介助の合間などに、小まめな水分・塩分補給を習慣化しましょう。訪問介護では、屋外と室内の温度差にも注意が必要です。

3 冷却グッズを積極的に活用する

冷感ウエアやネッククーラー、保冷ベストなどを活用し、暑さを我慢しないことが大切です。誰もが使いやすい環境を整えましょう。

4 暑さを“感覚”ではなく“数値”で見る

WBGTや温湿度計を活用し、入浴介助や送迎、屋外活動などの暑熱リスクを客観的に判断しましょう。

5 一人で抱え込まない

職員同士で体調を確認し合い、「今日はつらい」と言える職場づくりが、利用者の安全にもつながります。

いつもと違うと思ったら熱中症を疑いましょう

熱中症は初期症状を見逃さないことが重要。利用者も職員も、「いつもと違う」と感じたら早めに対応しましょう。厚生労働省などが公表している熱中症予防に関する情報も参考にして、日頃から備えることが大切です。

すぐに周囲の人や現場管理者に申し出ましょう

現場の生の声を聞き臨機応変にスピード対応

暑さから利用者と職員を守る
施設の工夫

WBGT(暑さ指数)測定器を導入するなど、独自の熱中症対策を進める佐賀県の社会福祉法人晴寿会。施設が実践している、酷暑化する夏を乗り越えるヒントを伺いました。

副施設長
白鞘末樹
総務課長
真﨑渉

社会福祉法人晴寿会

住所:〒849-0916 佐賀県佐賀市高木瀬町東高木1170

TEL:0952-30-1165

URL:https://www.seijyukai.com/

Instagram:@seijukai1977

特別養護老人ホーム・デイサービス・ショートステイ・ホームヘルプサービス事業を運営。50年近く、地域に根差した介護サービスを提供している。

数値の見える化による暑さと湿度への意識改革

 「昨年度から、法改正に基づいた対策強化という意味合いで、産業医の助言を基にWBGT(暑さ指数)測定器を導入いたしました」

 そう語るのは、晴寿会の総務課長・真﨑渉氏。晴寿会では、改正労働安全衛生規則が施行される前から、現場の声を取り上げていたそうです。

 「利用者の入浴の際の浴室、あとは送迎の車中、訪問介護時の利用者のご自宅…さまざまなケースでの課題が現場から挙がっていたことが、こうした取組を始めるきっかけとなっています」(真﨑氏)

 副施設長の白鞘末樹氏も「元々晴寿会全体で、温湿度の管理に関しては意識が高かったので、WBGT測定器はさほど抵抗なく導入できたと思います」と言います。

 「以前から事業所ごとに、温度計・湿度計は整備していました。ただ、職員は動いているので、居室を冷やし過ぎてしまう、というケースもあったんです」(白鞘氏)

 測定は各事業所の管理者が担当場所を決め、同じ時間帯に測定結果を撮影し、管理者間の共有のチャットに随時報告しています。

 「環境によって暑さが違いますので、窓際など、大きな温度変化が起こる場所で測定をして、その結果によっては注意喚起を行うなどの対応をします」(真﨑氏)

 データは毎月1日に各事業所の責任者などが全員集まる中で開かれる、衛生委員会が管理し、情報を法人内で共有します。

 この客観的な数値が見える化したことによるメリットは大きかったそうです。例えばエアコンで一律に室温を26℃に保ったとしても、日光の当たり方や、1階と4階でも気温は違ってきます。そして厨房や浴室といった場所によっても、大きな気温差が生まれます。

 「特に湿度への意識は高まりました。同じ温度でも、湿度によって体感も変わります。温度はニュースなどでも出てきますから意識しやすいのですが、測定器の数値を出すことによって、職員たちが湿度の数値を意識するようになりました」(白鞘氏)

 「浴室は利用者の体調も変化しやすく、身体への負担も大きくなりますので、湿度が高い日は入浴時間を短縮して、入浴後に涼しく過ごせる場所を確保するなどの工夫をするようにしています」(真﨑氏)

 厨房には現場の判断でスポットクーラーを設置し、火や湯を扱う職員の負担を軽減。送迎や訪問時の車内対策としては、クーラーボックスに保冷剤とネッククーラーを常備、サンシェードも全車両に整備して猛暑に備えています。

WBGT(暑さ指数)とは?

熱中症予防の指標となるWBGT(暑さ指数)は、気温・湿度・輻射熱(日差しや照り返し)の3要素を組み合わせて算出されます。気温だけでは分からない暑さの危険度を把握できる指標で、湿度や日差しの影響を強く反映します。環境省などが日々の実況や予測値を公表しているので確認しましょう。

日常生活における熱中症予防指針

WBGTによる温度基準域

注意すべき生活活動の目安※1

注意事項

危険 (31℃以上)

全ての生活活動で起こる危険性

高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。

外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。

厳重警戒 (28〜31℃※2

外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。

警戒 (25〜28※2

中等度以上の生活活動で起こる危険性

運動や激しい作業をする際は、定期的に十分に休息を取り入れる。

注意 (25℃未満)

強い生活活動で起こる危険性

一般に危険性は少ないが、激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。

※1 日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針 Ver.3.1」(2021) ※2 (28~31℃)および(25~28℃)については、それぞれ28℃以上31℃未満、25℃以上28℃未満を示します

実現可能な施策から一つずつ実現していく

 こうした晴寿会の対策で印象的なのは、正式な会議よりも日常の何げない会話から改善が生まれている点です。例えばサンシェードの導入は、職員の「熱くてハンドルが握れない」という何げない会話から始まっているといいます。

 「雑談から出てくる声には、実は大事なヒントがたくさんあるんです。会議では言いづらくても、たまたま擦れ違うときの日常会話などで、『いやあ、実はね…』と本音が出てきますから」(真﨑氏)

 要望を実行するスピードが速いのも特筆すべき点です。白鞘氏によれば、サンシェードは要望が出てから約2週間で、晴寿会の全車両に整備したということです。

 「要望を出してもらうだけで、管理をする側が実行しなければ、数値を測っても意味がありません。意見を形にすることが職員へのメッセージになって、さらなる環境改善につながると考えています」(白鞘氏)

 こうした流れの延長線上に、制服の見直しがあります。従来の規定では襟付きでしたが、動きの多い現場からの声を受けて、襟なしで薄手の制服の支給を行いました。

 「ここ数年の酷暑は、これまでの常識が通用しないところがあります。職員を守ることが利用者を守ることにつながりますから、臨機応変に対応しようと考えています」(真﨑氏)

 「そこでかかるコストも、利用者、そして職員の健康を考えれば、必要経費だと割り切っています。不調を訴えにくい利用者にも数値によって水分補給への注意ができるなど、自然と過ごしやすい環境を提供できればと考えています」(白鞘氏)

 晴寿会のこうした暑さ対策には、今後WBGT測定器を導入しようという事業所の参考になる部分がたくさんあります。お二人に改めて、環境改善のために大事なことを聞いてみました。

 「何度か申し上げた通り、数値という客観的な指標を職員全員に意識してもらうことと、そこから生まれる現場の生の声を取り入れることですね」(白鞘氏)

 「委員会での意見、現場の声を合わせて、その中から実現可能な施策に一つずつ取り組んでいくことが重要だと思います」(真﨑氏)

 晴寿会では、今年もサンシェードをカーテン式へ更新するなど、さらなる改善を目指していくそうです。

[左][中央][右]WBGT測定器は持ち運びしやすいサイズ。浴室や直射日光が当たる窓際などでも簡単に暑さ指数を測定できる。
[左]酷暑に対応するため襟のない制服を導入。職員からは「涼しい」と好評だという。[右]車用サンシェードやネッククーラーは、夏場の車内では欠かせないアイテム。

熱中症対策・夏バテチェックリスト

猛暑から利用者と職員を守るためには、日頃の備えが欠かせません。熱中症対策のポイントをチェックリストで確認し、現場での対策に役立てましょう。

利用者

☑︎喉が渇く前に水分補給を促している
☑︎食事量・水分摂取量を毎日確認している
☑︎室温だけでなく湿度も確認している
☑︎エアコンを適切に使用している
☑︎夜間も室温管理を行っている
☑︎入浴前後に体調確認・水分補給を行っている
☑︎「元気がない」「ぼんやりしている」などの変化がないかを確認している

職員

☑︎WBGT(暑さ指数)を確認している
☑︎入浴介助時は小まめに休憩を取っている
☑︎塩分・水分補給ができる環境を整えている
☑︎ネッククーラーなど暑熱対策用品を活用している
☑︎体調不良を我慢せず報告できる雰囲気がある
☑︎熱中症初期症状を職員全員が理解している

施設・事業所

☑︎暑さ対策のルールが決まっている
☑︎WBGT・温湿度を定期的に測定している
☑︎休憩場所は十分涼しく保たれている
☑︎熱中症発生時の対応フローが共有されている
☑︎職員からの改善提案を受ける仕組みがある
☑︎夏前に暑熱対策を見直している

こんなサインは要注意!

熱中症は早期発見・早期対応が重要。利用者や職員に「いつもと違う」変化が見られたら、熱中症を疑い、すぐに対応しましょう。普段との違いを見逃さず、小さなサインにも注意を払いながら、日頃の対策をチェックシートで確認してみましょう。
関係省庁熱中症予防のための情報・資料サイト

構成・文=玉置晴子(熱中症対策の心得/熱中症対策・夏バテチェックリスト)/取材・文=一角二朗