最新制度解説

速報(JS-Weekly)

〈政府〉

育成就労制度、開始後3年の移行期間設ける方向で調整技能実習生、期間終了まで在留可に

JS-Weekly No.918

#技能実習制度 #育成就労制度

育成就労制度、転籍制限を条件付きで緩和

 政府は、現行の外国人技能実習制度を廃止し、新たに育成就労制度を令和9年に導入する方針で、関連法案を今国会に提出する。激変緩和措置として、新制度の開始から3年の移行期間を設ける方向で調整に入った。

 技能実習制度は、「人材育成を通じた開発途上地域等への技能、技術又は知識の移転による国際協力を推進する」ことを目的として平成5年に開始され、これまで約35万8000人の技能実習生を受け入れてきた(令和5年6月末現在)。人手不足が深刻な業界では、技能実習生が不可欠の存在となっているのが現状で、制度の廃止により現場に混乱が生じる可能性も指摘されている。このため、現行制度の下で受け入れてきた技能実習生については、実習期間終了まで引き続き在留可能とするのが適当であると判断し、移行期間の幅を設定した。

 移行期間中は現行制度も並行して残し、技能実習生は所定の期間(通例3年)を終えるまで在留が認められる。また、技能実習生が在留期間中に育成就労の資格に移行することは認めず、勤務先を変える「転籍」(転職)の制限も維持する。期間終了後は、一定の技能が必要な「特定技能1号」の取得や、さらに熟練労働者向けの「特定技能2号」を取得してもらう考え。

 新制度では、技能実習生を3年間で特定技能1号の水準に引き上げ、中長期的な在留につなげる。現行制度では原則として認めていない転籍について制限を緩和し、一定の条件を満たせば可能とする。