最新制度解説

老施協ダイジェスト

全国老施協、災害対策本部を設置し迅速に対応を開始 厚生労働省と協力し被災地への各種支援を継続 など

2024.02 老施協 MONTHLY

令和6年元日に石川県能登半島で発生した地震によって被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになった皆様にお悔やみを申し上げます。また、厳しい状況の中で、介護事業者としての責務を果たしておられる皆様に、心より敬意を表します。被災地の復興と、皆様の安寧な生活が一日も早くかないますよう、お祈り申し上げます。

全国老人福祉施設協議会 会長 社会福祉法人蓬愛会 理事長 大山知子


全国老施協、災害対策本部を設置し迅速に対応を開始
厚生労働省と協力し被災地への各種支援を継続

 全国老施協では、地震発生後速やかに対応を開始し被災地に対する支援等を行っている。取り組みの内容は次の通り。

(1)災害対策本部の設置

 会員施設(被災施設)等の被害の迅速な把握および軽減・復旧を図るとともに、支援要請に対して適切に対応するため、全国老人福祉施設協議会災害対策本部を設置した。被災状況について厚生労働省と情報を共有。

(2)全国老施協の対応状況

 全国老施協ホームページ内に特設ページを開設。被災された新潟県、富山県、石川県および福井県の会員施設、事業所に対し、関係する行政通知や全国老施協の取り組みなどについての情報を掲載している。

(3)人的支援について

 石川県老人福祉施設協議会からの介護職員等の派遣要請を受けて、老施協DWAT(災害派遣福祉チーム)を設置している老施協・デイ協へチーム派遣の申し込みを開始した(老施協DWATによる派遣は、設置する都道府県市老施協・デイ協を介して実施している)。

(4)被災施設入所者の広域的受け入れについて

 特に被害が甚大な地域では、電気、水道等のインフラは、土砂崩れ等による道路の被害により、復旧まで相当の時間がかかることが予想された。そのため、入所者を安全な地域の施設に移送し、受け入れるオペレーションについて、空きベッド数や受け入れ可否の確認などの準備を呼び掛けた。厚生労働省および石川県老施協と連携・調整し必要な支援策の準備を進める。

(5)物的支援について

 被災地の道路の状況を鑑み、当面、組織的な対応は見合わせている。石川県老施協と連携を緊密にし、被災地からの要請に備える。

(6)義援金について

 現地の被害等に対処している老人福祉施設等の活動支援を目的として、「推進要領」を策定し、「令和6年能登半島地震義援金」の募集を実施(下記参照)。

(7)災害見舞金制度※について

 被害要件に応じ、全国老施協より見舞金を支給する。

※正会員の所属する施設または事業所および利用者等が災害により被害を受けた場合、見舞金を支給する。

  • 1月4日、臨時常任理事会を招集。正副会長、常任理事、災害対策委員長による情報共有、会員施設等の被害状況の確認、今後の対応について協議。
  • 1月5日、東海北陸ブロック会長会議を開催。各県における被害状況やDWAT派遣職員への対応、被災施設入所者の広域受け入れ態勢について協議。
  • 1月5日、厚生労働省事務次官および老健局長に対し、情報共有および物資の供給状況、今後のオペレーション、入所者の受け入れ態勢、液状化現象における電力不足等についての情報を提供し、迅速な対応を要請。

令和6年能登半島地震義援金の呼び掛けに全国から、21,452,526円

 全国老施協では、現地の被害等に対処している老人福祉施設の活動支援を目的として、1月12日から義援金の募集を開始した。この呼び掛けに対して、全国より21,452,526円が集まった(2月1日現在)。

義援金の用途

(1)現地への支援活動
  1. 物資の調達
  2. 物資の運搬に要する経費(人件費、燃料費等)
  3. 介護職員等人材の派遣
  4. 被災県・市老施協および被災施設への義援金
(2)その他必要な支援
  1. 緊急避難(避難先の確保、移送支援等)
  2. その他

 義援金の募集期間は、1月12日から2月29日までを予定しており、振り込みにて受け付けている。

振込先

金融機関

(0009)三井住友銀行(096)東京公務部
普通預金No.0023461

口座名義

公益社団法人全国老人福祉施設協議会
災害支援事業 会長 大山知子

 なお、この支出は、厚生労働省事務連絡(令和6年1月12日付)により、社会福祉法人の支出として特例的な取り扱いが認められている。


被災地からの要請を受けて人的支援を実施
8施設で活動 全国老施協DWAT

1月9日、全国老施協災害対策本部は、石川県老人福祉施設協議会(久藤妙子会長)から特別養護老人ホームに対する介護職員等の派遣要請を受け、DWAT(災害派遣福祉チーム)を設置している地域の老施協・デイ協へ応援を呼び掛けた。1月12日からの第1陣(2施設)を皮切りに、15チームで8施設を支援した。(1月31日現在)

派遣先施設 派遣元組織
(福)白字会 特別養護老人ホームゆきわりそう(輪島市) 富山県老施協、愛知県老施協、岐阜県老施協、福井県老施協
(福)福寿会 特別養護老人ホーム福寿園(白山市) 富山県老施協、栃木県老施協
(福)長寿会 特別養護老人ホーム第二長寿園(能登町) 愛知県老施協
(福)千木福祉会 第2千木園(金沢市) 愛知県老施協、福井県老施協、岐阜県老施協
(福)長寿会 特別養護老人ホーム長寿園(珠洲市) 福井県老施協、静岡県老施協、岐阜県老施協
(福)渚会 特別養護老人ホームちどり園(宝達志水町) 愛知県老施協
(福)久楽会 萬生苑(金沢市) 福井県老施協
(福)久楽会 特別養護老人ホームあかかみ(輪島市) 福井県老施協

ご参加くださった皆様に感謝