最新制度解説

速報(JS-Weekly)

〈東京都健康長寿医療センター〉

アルツハイマー病治療薬レカネマブ、臨床での投与開始

JS-Weekly No.910

#レカネマブ #レケンビ #アルツハイマー病新薬

初の認知症治療薬、患者への投与開始

 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターは12月25日、12月20日に保険適用されたアルツハイマー病の新薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」について、臨床で使用を開始したと発表。同センターによると、患者は50歳代の女性で、昨年、軽度認知障害(MCI)と診断された。この日は約1時間かけて点滴を投与した。この治療では2週間に1回の点滴を原則1年半続け、原因物質であるアミロイドβを除去していく。開発・販売元のエーザイによれば、治験において、臨床症状の悪化を27%抑制する効果が確認されている。

 同センターの岩田淳副院長は「ようやくスタートラインに立った。効果は『同じような生活が続けられているか』を重視したい」とコメントした。

 厚生労働省が策定した使用ガイドラインでは、MRI検査で副作用の有無を定期的に確認できることなどを投与できる施設要件としている。準備が整った医療機関から順次投与を開始、今年中には全国での使用本格化を見込む。次点では、大阪公立大病院が12月21日に50歳代男性に投与を開始している。

 厚労省は治療を希望する場合には、かかりつけ医から投与可能な医療機関につないでもらってほしいとしている。