最新制度解説

速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

高齢救急患者の受け入れ、包括的機能を持った新病棟新設へ

JS-Weekly No.908

#高齢救急患者 #新病棟

早期リハ、栄養管理、在宅復帰などの包括的機能を持った新病棟の創設を提案

 厚生労働省は、12月15日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)の総会において、高齢の救急患者を受け入れるため、早期リハビリ、栄養管理、在宅復帰などの包括的機能を持った新たな病棟の創設を提案した。

 これまで、地域包括ケア病棟について、

  • 看護配置が13対1であるため、対応できる高齢者の救急医療には限界がある
  • 救急患者の受け入れにばらつきがある
  • 急性期病棟ではリハビリ、栄養管理の提供にばらつきがある

などの指摘があった。

 これらの指摘を受けて、厚生労働省は、

  • 救急患者を受け入れる体制を整備する
  • 一定の医療資源を投入し、急性期からの速やかな離脱を目指す
  • 早期の退院に向けリハビリ、栄養管理などを適切に提供する
  • 退院に向けた支援、適切な意思決定支援を行う
  • 早期の在宅復帰を目指すとともに、退院後の在宅医療を提供する医療機関、介護サービスを提供する事業所等との連携を図る

といった機能を包括的に持つ新病棟について、委員の意見を求めた。

支払い側委員・診療側委員共に方向性には賛同

 支払い側委員も診療側委員も高齢の救急患者への包括的な対応をする、という方向性には賛同をしている。

 ただし、支払い側委員からは、看護配置10対1の急性期病棟を想定し、救急医療対応、リハビリ、栄養管理、退院支援、在宅復帰支援などの機能をしっかり果たしてもらうことが必要である、などの意見が出た。

 また、診療側委員からは、現場が時間をかけて新たな評価へ移行すべきか否かを判断できるような制度設計を行う必要がある、などの意見が出た。