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速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

第546回中医協総会を開催 「令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会」での意見を報告

JS-Weekly No.883

#同時報酬改定 #医療・介護DX

急性期一般病棟は急性期医療に重点化し、限られた医療資源の有効活用を

 厚生労働省は6月14日、第546回中央社会保険医療協議会総会(会長:小塩隆士・一橋大学経済研究所教授)を開催し、「令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会」における議論で交わされた主な意見を報告した。意見交換会は令和5年3月から5月にかけて合計3回開催され、中医協会長の小塩氏、中医協委員の日本医師会常任理事の江澤和彦氏・長島公之氏、健康保険組合連合会理事の松本真人氏ら14人が参加した。

 意見交換を行ったテーマ・課題は、①地域包括ケアシステムのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携、②リハビリテーション・口腔・栄養、③要介護者等の高齢者に対応した急性期入院医療、④高齢者施設・障害者施設等における医療、⑤認知症、⑥人生の最終段階における医療・介護、⑦訪問看護、⑧薬剤管理、⑨その他の9つ。

 ①地域包括ケアシステムのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携に関しては、医療・介護DXについても議論された。DXの目的は「業務や費用の負担軽減」であり、サービスの質の向上や最適化・効率化のツールとして活用することが重要であるといった問題も提起された。

 ③要介護者等の高齢者に対応した急性期入院医療に関して、厚生労働省は「介護保険施設の医師や地域包括ケア病棟が中心的に担い、急性期一般病棟は急性期医療に重点化することで、限られた医療資源を有効活用すべき」と指摘した。

 また、④高齢者施設・障害者施設等における医療についても、今後、医療・介護共に人材が不足し、保険財政もより一層厳しい状況になることが予想される。「まずは自施設の職員による対応力の向上を図った上で、自施設で対応可能な範囲を超えた場合に外部の医療機関と連携して対応にあたるべき」といった声が上がった。

 厚労省の報告を受けた全国健康保険協会理事長の安藤伸樹氏は、「医療の役割は病気を治すこと、介護の役割は生活を支えることだ。役割分担は明確にしておかなければならない」と勧告した上で、 「限られた医療資源を活用するためにも、急性期一般病棟は急性期医療に重点化することが必要」と語った。

参考資料