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速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

令和6年度の同時報酬改定に向けた医療と介護の連携に関する意見交換会を開催 社会保障審議会

JS-Weekly No.870

#同時報酬改定 #医介連携

 厚生労働省は3月15日、「令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会(第1回)」を開催した。協議事項は下記の通り。

  1. 地域包括ケアシステムのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携
  2. リハビリテーション・口腔・栄養
  3. 要介護者等の高齢者に対応した急性期入院医療

古谷参与、「地域包括ケアシステムのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携」「リハビリテーション・口腔・栄養」「要介護者等の高齢者に対応した急性期入院医療」について意見

「地域包括ケアシステムのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携」

1)今後の重点課題を踏まえた医療・介護連携

 医療・介護・障害サービスの連携は必要不可欠である。介護サービスを提供する上でも医療情報は欠かせないため、どのように情報を整理・統一してスムーズな連携を図れるようにするかが重要である。

 医療・介護それぞれの分野で情報を共有連携したときの評価やガイドライン等の行動規範を定めて一定のルール化を進めることが重要と考える。

2)医療・介護DXについて

 令和3年から開始したLIFEによる情報収集によって介護事業所においても介護ソフトの導入が進んできている。また、加算による算定率の差はあるが、一定の指標を用いて評価することも介護サービスを提供する上で定着してきていると考えている。

 全国医療情報プラットホームに介護情報も含まれ、介護事業者・医療機関が、本人の同意の下、介護情報等を適切に活用することで、利用者に対して提供する介護・医療サービスの質を向上させることも目的となっている。しかし今までの連携の中で、医療側/介護側が必要とする情報に差があったのも事実である。一定程度DXを進める上で収集・共有できる情報を今後標準化して整備していくことが非常に重要と考えている。

「リハビリテーション・口腔・栄養」

1)リハビリテーション・口腔・栄養の一体的な取組

 リハビリ口腔栄養の一体的な取り組みは非常に重要である。また栄養管理という流れの中で管理栄養士を中心とした多職種のミールラウンド等を実施するという一体的な取り組みが徐々に進んできており、入所者、利用者の状態の改善、重度化の予防に大きな効果を上げていると考えている。多職種の連携をより進めるためには個々の評価に加えて、一体として取り組むことへのインセンティブ等もあるとより一層推進するのではないか。

2)口腔

 在宅の場合になるが、基礎疾患を持ち、リハビリや口腔等の課題を持っている方が多いのではないかと思う。その中で介護サービスを利用されている方については多少管理する場面が出てくるかと思う。例えば通所介護を利用されている方が口腔機能向上加算等で歯科衛生士等が関わることで口腔に問題があった場合、地域の歯科医師に繋ぎ、連携するというような事例も見られている。適切な介護サービスに繋ぐということも地域の医師等への連携を図る上で重要ではないか。

「要介護者等の高齢者に対応した急性期入院医療」

 高齢者施設からの入院は75%が急性期一般病棟となっている。これについて高齢者施設、特養からの場合は緊急的な入院が多く、病棟を選ぶ状況にないのが事実である。今後、各病棟の役割、施設からどのような病棟に行くのが適切なのかというところの論議を進めていく必要がある。定期通院している病院であれば本人の基礎疾患や服薬、日中の様子等を分かっておりスムーズな連携が図れるという事例もあり、情報を適切に共有していくことがよりスムーズな運用に繋がると考えている。どのような情報をどのような形で活用するかを進めることで急性期の入院、適切な病棟利用が進むのではないかと考えている。

 その他、各委員から以下の意見が述べられた。(一部抜粋)

  • 「今後の医療提供体制を考えると、医療と介護を一体的に提供することは必要なことであり、議論も継続的に必要であることから、意見交換会を6年に1回の同時改定の時だけでなく、通年的に開催することも有用ではないか」との指摘があった。
    これに対して厚生労働省より「重要なご指摘だと思っている。状況が大きく変化する中で医療と介護の連携が密接に求められてくることはその通りである。今は2年に1回診療報酬改定、介護報酬は3年に1回であるが、その中でどのように活かしていくかについては課題として認識するところである。具体的な方法については、受け止めて今後検討していきたい。」との回答があった。
  • 在宅での歯科衛生士や管理栄養士が不足している。余力があれば医療機関や介護施設から各地域に出て活躍していただくなど地域の社会資源を十分に活用することが大切である。
  • 医療DXと介護DXには温度差があり、医療の方が進んでいるように感じている。介護DXのプラットホームの共通化が遅れることのないように医療と介護のプラットホームの共通化統一化は同時に進める必要がある。

参考資料