最新制度解説

速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

「第14次労働災害防止計画(案)」を公表

JS-Weekly No.866

#介護職員の身体の負担軽減 #腰痛予防対策 #ウェアラブル端末 #DXの推進

「第14次労働災害防止計画(案)」の内容

 厚生労働省は2月13日、令和5年度から令和9年度までの5年間を計画期間とする「第14次労働災害防止計画(案)」を公表した。そこでは、次のような重点事項における取り組みの進捗状況を確認する指標(アウトプット指標)を設定し、アウトカム(達成目標)を定め、計画期間内に達成することを目指す、とした。

主なアウトプット指標 主なアウトカム指標
労働者(中高年齢の女性を中心に)の作業行動に起因する労働災害防止対策の推進 転倒の年齢層別死傷年千人率を男女ともその増加に歯止めをかける
高年齢労働者の労働災害防止対策の推進 60歳代以上の死傷年千人率を2027年までに男女ともその増加に歯止めをかける
労働者の健康確保対策の推進 仕事等に関する強い不安、ストレス等がある労働者の割合を50%未満とする

 上記のアウトカム指標の達成を目指した場合、労働災害全体としては、少なくとも「死亡災害」については5%以上減少する、「死傷災害」については増加傾向に歯止めをかけ、死傷者数については令和9年までに減少に転ずることが期待される、としている

計画の重点対策

 これらの計画を達成するための重点事項ごとの具体的取り組みとして、主に次のようなものが挙げられている。

主な取り組み 具体的内容
自発的に安全衛生対策に取り組むための意識啓発
  • 安全衛生対策に取り組む事業者が社会的に評価される環境整備(安全衛生に取り組むことによる経営や人材確保・育成の観点からの実利的なメリット等について周知)
  • 労働安全衛生におけるDXの推進(ウェアラブル端末等の新技術の活用およびその機能の安全性評価についてエビデンスの収集・検討) 等
労働者(中高年齢の女性を中心に)の作業行動に起因する労働災害防止対策の推進
  • 中高年齢の女性をはじめとして高い発生率となっている転倒等につき、災害防止に資する装備や設備等の普及のための補助、開発促進を図る
  • 介護職員の身体の負担軽減のための介護技術(ノーリフトケア)等の腰痛の予防対策の普及を図る 等
高年齢労働者の労働災害防止対策の推進
  • 「エイジフレンドリーガイドライン(高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン)」に基づく対策の促進(エッセンス版の作成等による周知啓発)等
労働者の健康確保対策の推進
  • メンタルヘルス対策
  • 過重労働対策の推進 等

参考資料①
参考資料②