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速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

第213回社会保障審議会介護給付費分科会 令和3年度介護報酬改定の効果検証等について議論

JS-Weekly No.863

#介護報酬改定効果検証 #処遇改善加算 #同時改定

全国老施協から介護報酬改定の効果検証調査の実施内容や介護職員処遇改善加算申請様式について意見

 厚生労働省は1月16日、社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。協議事項は下記の通り。

  1. 令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和5年度調査)の進め方について
  2. 介護職員処遇改善加算等の申請様式の簡素化等について
  3. 訪問看護ステーションにおける人員基準に関する地方分権改革提案について
  4. 令和6年度同時改定に向けた意見交換会について
  5. その他

 古谷忠之委員(全国老施協参与)は、次のように意見を述べた。

令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和5年度調査)の進め方について
  • 「個室ユニット型施設の整備・運営状況に関する調査研究事業」について、コロナ禍で応援態勢も必要となる場面も頻発する中、現状のユニット型施設の職員配置は、当該ユニット専従となっているが、必要に応じて隣接するユニットと一体として勤務を行うことができるようにするべき。また、日中および夜間の職員配置と業務に合わせた柔軟な協力体制や併設施設との兼務など、今後の検討のエビデンスとなるような調査を進めてほしい。
  • 「LIFEの活用状況の把握およびADL維持等加算の拡充の影響に関する調査研究事業」については、利用者のフィードバックがまだされていない中、多くの事業所が利活用に不安を持ってる。課題解決につながる実態調査を実施してほしい。
介護職員処遇改善加算等の申請様式の簡素化等について
  • 介護職員処遇改善加算等の申請様式の簡素化による事務負担の軽減などは、新規取得の促進にもつながる。現在3種類ある加算は、それぞれが複雑な要件を伴うため基本的な構造が変わらない限り根本的な解決は難しいため、一本化などの合理化についてもぜひ検討を進めてほしい。また、物価高騰の中で介護保険事業所は公的価格であり、他の業種のように利用料に転嫁できないため処遇改善加算等により処遇改善の対応をお願いしたい。

令和6年度のトリプル改定に向けた意見交換の場が設けられることを確認

 また、令和6年度の介護報酬と診療報酬の同時改定を前に、中央社会保険医療協議会メンバーと介護給付費分科会の間で、具体的な検討に入る前に同時改定に関する議題に主に関係する委員等で意見交換会を行う方針が示された。意見交換会では、新型コロナ感染症の流行を踏まえた今後の健康危機管理やポスト2025および2040年を見据えた際の課題や方向性の共有を目的とし、具体的な報酬に関する方針を決めないこととなる。主なテーマは次の通り。

  1. 地域包括ケアのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携
  2. 高齢者施設・障害者施設等における医療
  3. 認知症
  4. リハビリテーション・口腔・栄養
  5. 人生の最終段階における医療・介護
  6. 訪問看護
  7. 薬剤管理
  8. その他

 この会議で出された意見は、介護給付費分科会および中央社会保険医療協議会の他に、障害福祉サービス等報酬についても令和6年度に改定されることから、障害福祉サービス等報酬改定検討チームにも報告される。

 その他人員基準についてさまざまな角度から指摘がある中で、「どういった視点から考えるのか、何を根拠にするかということの考え方の整理。更には長期的に見た場合、現状の事業所単位でよいのか、地域という観点なども考えうるのかといったことも含めて、議論の整理をしていく必要があるのではないか」として、堀田聰子委員(慶応義塾大学大学院健康マネジメント研究科教授)から問題提起があった。

田中滋 介護給付費分科会分科会長が本分科会を以て退任

 田中滋 介護給付費分科会分科会長(埼玉県立大学理事)が、令和5年1月28日付けで任期満了になることから、本分科会を以て退任となる。

 閉会にあたって、田中分科会長が挨拶を行い「社会保障審議会介護給付費分科会は、全員が対等な有識者の委員。介護保険をより良くする、前進させていく会議をこれからも続けていくことを期待する。」などと介護保険関係各位に対するエールを送った。

参考資料