最新制度解説

速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

コロナ感染者の葬儀・火葬の制限を緩和、納体袋の使用も不要に

JS-Weekly No.862

#コロナ #ガイドライン改正 #制限緩和

遺体からの感染リスクは極めて低いことを確認

 厚生労働省は1月6日、「新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方及びその疑いがある方の処置、搬送、葬儀、火葬等に関するガイドライン」の改正について通知した。

 新型コロナウイルス感染により亡くなった人の葬儀や火葬について、これまでのコロナ禍で続けてきた制限を緩和する。コロナ発生から約3年が経過したことも踏まえ、厚生労働省が国立感染症研究所などの協力で検討した結果、「遺体からの感染リスクは極めて低い」ことが確認されたとしている。

 主な変更点は、次の通り。

  • 適切な感染対策(清拭や鼻・肛門への詰め物や紙おむつ使用による体液等の漏出予防など)をすることで、コロナ感染者の遺体を通常の遺体と同様に取り扱うことができる。
  • 損傷が激しい場合を除き、遺体を包む非透過性納体袋の使用は不要。
  • 通夜、葬儀等は、納棺時の棺表面の清拭・消毒や、手洗い・換気等の基本的な感染対策を行うことで、コロナ以外で亡くなった人と同様に行うことができる。
  • コロナ感染者の遺体とそれ以外の遺体で火葬時間帯を分ける必要はなく、遺族等の動線分離も必要ない。

 旧ガイドラインは令和2年7月に作成。感染リスクを抑えるため、コロナ感染者の遺体は納体袋に包み、遺族等には遺体に触れるのは控えるよう求めていた。また、通夜や葬儀も実施可能か感染状況を踏まえて検討し、オンラインの活用も推奨していたが、遺族からは「最期のお別れができなかった」などの声も上がっていた。

 加藤勝信厚生労働大臣は記者会見で、「葬儀・火葬が遺族の意思をできる限り尊重して執り行われるよう、今回のガイドラインの改正の内容について丁寧に周知していきたい」と述べた。

参考資料①
参考資料②