最新制度解説

老施協ダイジェスト

職員の処遇改善に関するアンケート結果を公表 ほか

2022.05 老施協 MONTHLY

全国老施協 令和4年度第1回正副会長・委員長会議(拡大)
全役員・全委員が参集し組織全体の活動の方向性を共有

POINT

  1. 令和4年度第1回に当たって各委員会・部会等の活動状況を把握
  2. 介護職員処遇改善や拡大する事務負担について今後の課題を共有

 4月20日の第1回正副会長・委員長会議(拡大)は、ブロック理事を含む役員全員と委員会委員全員がオブザーバーとして参加し、テレビ会議で開催された。平石朗会長のあいさつに続いて、そのだ修光常任理事(参議院議員)が情勢報告を行った後、株式会社アノン代表取締役・野澤髙一氏による、公益社団法人としての選挙に対する対応の在り方などの説明があった。

 14の委員会・部会や12名の関係機関や団体への派遣役員・委員等の報告から、昨年度の活動成果や今年度の活動予定・スケジュールについての報告があった。各委員会等の主要ポイントについては下の通り。


養護老人ホーム・軽費老人ホーム・ケアハウスの職員の処遇改善に関する第2回アンケート結果を公表

POINT

  1. 要請活動の効果が表れ、措置費・事務費を引き上げる自治体が増加
  2. 予算措置実現のための要請活動に向け、書面のひな形提供、Q&Aを改定

 4月18日、養護老人ホーム・軽費老人ホーム・ケアハウスに従事する職員の処遇改善に関するアンケート(第2回3月末日現在)結果を公表した。令和4年度の地方交付税措置がなされたことを好機と捉え、1月以降、全国の自治体に対し、措置費・事務費の引き上げについて要請活動を展開してきた。前回調査時(1月末日現在)と比較した集計結果は下のとおりとなった。

 今後は、各自治体の地方交付税措置が確定する8月を前に、補正予算(5、6月頃)での予算措置実現に向けて、要請活動を強化。全国老施協では、文書のひな形をHPに掲載するほか、要請活動の現場で役立つQ&Aを改定し、全国での活動をバックアップしていく。


全国老施協版介護ICT実証モデル事業
ICT機器導入による業務改善・生産性向上の効果を最大限に

POINT

  1. タイムスタディ+定量調査を行い、個別の実情に即した具体的な相談・助言を
  2. 業務改善・生産性向上の効果が最大限となるようモデル(案)を作成

 全国老施協で2021年11月のキックオフミーティングからスタートした「全国老施協版介護ICT実証モデル事業」。4月19日に開催された第1回ロボット・ICT推進委員会ではスケジュールどおりに進行していることが確認された。昨年度内に、現状把握から、課題ヒアリングや業務の見える化などのタイムスタディを経て、導入機器を選定し導入。補助金の申請・支給についても進め、全ての実証施設の申請書提出を確認した。

 今年度に入り、各実証モデル施設において、介護記録ソフトや見守り機器などの活用を開始し、実態を把握しながら、活用支援・効果測定を実施している。

 効果測定では、タイムスタディと定量調査を組み合わせ、ICT機器導入前後の比較を行っている。簡易な操作で業務に要する時間を計測・記録できる機器を活用し、介護業務に要する時間を計測・記録。計測については、機器の導入により合理化できる業務を特定して評価するため、介護職員の業務を適切に区分して行う。時間以外にもICT機器導入によって期待される効果やその検証方法の設計も行っていく。

 施設ごとの記録や職員へのアンケート調査などを踏まえてフィードバックを行い、今夏「全国老施協版介護ICT導入モデル(案)」の取りまとめを目指す。


社会福祉推進議員連盟 第9回総会を開催
全国老施協は新型コロナ対策強化や次年度予算について要望

POINT

  1. 新型コロナに感染した入所者は原則として入院。施設内療養には医療支援を
  2. 令和5年度予算には、介護ICT機器の導入や生産性向上のための支援を

 自由民主党社会福祉推進議員連盟は4月19日に、第9回総会を開催した。厚生労働省より、社会福祉法人制度改革(平成28年改正社会福祉法)の主な5つの内容について、最近の取り組み状況の報告があった。

 全国老施協をはじめ15団体が出席、代表団体が要望を述べ、質疑応答を行った。

 秦千代栄副会長が出席した全国老施協は、新型コロナウイルス感染症対策と令和5年度予算について要望した。新型コロナウイルス感染症については、高齢者福祉・介護施設入所者が感染した場合の円滑な入院(入院原則の堅持と徹底、施設に対する医療支援)と、集中的検査の徹底、新型コロナウイルス感染症対策に係る予算措置(かかり増し経費や設備費等の補助の存続および充実、経営補塡・補償)を要望。

 令和5年度予算についての要望は次の6点である。

  1. 介護ICT機器の導入や生産性を向上させるための支援
  2. LIFE(科学的介護情報システム)の運用改善
  3. 介護人材の確保
  4. 特別養護老人ホーム等の機能強化
  5. 養護老人ホームおよび軽費老人ホーム・ケアハウス職員の処遇改善
  6. 文書負担軽減

撮影=桃井一至/取材・文=重信裕之