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第4回JSフェスティバル in 山口 実践研究発表最優秀賞 “国を動かした” 複数法人協働の人材確保事業
総会に先立ち、昨年12月4・5日に開催された第4回全国老人福祉施設大会・研究会議〜JSフェスティバル in 山口〜の実践研究発表最優秀賞授与式が行われた。最優秀賞に輝いたのは、TOKYOの未来を創る社会福祉法人協力会による「複数法人の協働による人材確保 事業〜都内10法人による就職フェアがもたらした効果〜」。研修・大会フォーラム委員会の尾関英浩委員長による発表の後、社会福祉法人三交会の片桐恵子さんと、社会福祉法人泉陽会の平本穣さんが登壇し、研究発表を行った。

一法人では難しい人材確保に協働で挑戦
2020年に介護サービス事業所を運営する社会福祉法人の有志で設立されたTOKYOの未来を創る社会福祉法人協力会。加盟法人は一地域ではなく、7つの区、5つの市とかなり広いエリアに所在しているが、どの法人も同じ悩みを抱えていた。「人材不足」である。参加費を払って就職フェアに参加しても、ウェブ媒体を利用しても手応えが得られない。人材派遣や紹介会社を利用しても十分な応募はなく、直接雇用にも結び付かない。そこで、検討に検討を重ね、手作りの就職フェアに取り組むこととした。
ターニングポイントとなった行政へのアプローチ
2020年9月から2023年3月までに4回の就職フェアを開催したものの、集客は思うように伸びない。そこで、公的機関(ハローワーク、介護労働安定センターなど)へ協力を依頼。「前例がない」と断られながらも、複数法人による公益的な活動であることをアピールし続けた結果、第5回就職フェアは、渋谷区のハローワーク主催で開催されることとなった。さらに、ケアフォーラム(他業種から転職してきた介護職による座談会)や介護食の試食、現役介護職員と雑談できる介護カフェなどを企画したところ、参加者90名、11名の直接雇用という好結果につながった。この活動が新聞にも取り上げられ、その後も順調に回を重ね、成果を上げている。「社会福祉法人同士、ライバルとして人材を取り合うのではなく、協力し合って問題の解決に臨んだ結果」(片桐さん)
国が注目! 補正予算7億円
厚生労働省がこの取り組みに着目し、介護人材確保のための福祉施策と労働施策の連携体制強化を目的に、令和6年度補正予算で7億円を計上した。補助対象は、会場の賃借料、広告費、人件費など。「この取り組みが全国に広がることを期待」(平本さん)。
【講評(一部抜粋)】
・人材確保という喫緊の課題に対し、法人間の垣根を越え協働という可能性を切り開き、コスト削減などの厳しい目標への挑戦を重ねてきた極めて価値の高い実践である。
・都市部が直面する人材確保の課題の持続的な解決の可能性、施設の今後の方向性について重要な指針となるものと評価し、そのさらなる波及を期待する。

佐藤朋巳さん、尾関委員長、田中美佐さん
(中島さん、田中さん、佐藤さんは協力会のメンバー)
取材・文=東京コア(早坂美佐緒)