福祉施設SX
能登半島地震と 全国老施協DWATの 活動を振り返ってvol.5 全国老施協副会長に聞く
全国老施協DWATは東日本大震災をきっかけに、組織的な支援体制の必要性を感じて2017年に設立されました。過去の活動実績としては、2018年岡山豪雨災害、2018年北海道胆振東部地震、2019年埼玉県台風被害、2020年熊本豪雨災害への支援を行っています。今回の能登半島地震では、1月1日の発生直後から対策本部を立ち上げ、情報収集や支援準備を迅速に開始しました。
全国老施協DWATは施設支援に特化しており、4〜6名の多職種チームで構成され、基本的に5日間の活動期間で支援を行っています。支援対象は主に被災した老人福祉施設の入所者へのケアで、福祉避難所として指定された施設でも基本的には既存入所者のケアを担当します。全国老施協DWATの活動をした場合、全国老施協が活動にかかる交通費、宿泊費を負担いたします。
2024年1月時点で、1都1道30県2市1,238名の方々にご登録いただき、事前に研修制度を利用するなど過去の災害対応の経験も活かす仕組みをさらに強化し、迅速な支援を可能にしていきたいと考えています。
全国老施協DWATの支援期間は、派遣スタッフの疲労管理と派遣元の施設の人手不足を増長しないためにも、1チーム5日間としています。今回の能登半島地震のような長期派遣は当初想定していませんでしたが、今後は長期にわたる派遣に対応するためのローテーションなども考えておかないとなりません。
全国老施協DWATを全都道府県に設置することを目指し、特に近隣地域からの支援が効果的なため、オンデマンド研修などで登録者を増やす取り組みは不可欠です。
施設の多くは建物の一部損壊はあったものの完全崩壊は免れ、地域のよりどころとして避難所の役割を果たしました。これからも老人福祉施設が地域の重要な社会資源として機能するためにも、全国老施協DWATの組織力を活かしていきたいと考えています。
— 組織としての強みを最大限発揮し、復興支援に向けて全力を挙げる —
この理念の元にもとづき、全国老施協は引き続き活動していきます。