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末期がん患者等への迅速な介護サービス提供を促進
#暫定ケアプラン作成の柔軟化
厚生労働省は、末期がんなどで要介護状態にある方々が迅速に介護サービスを利用できるよう、暫定ケアプランの作成や認定手続きの柔軟化を進める方針を示した。これにより、介護保険を利用できずに亡くなるケースを減らすことを目指す。
背景と問題点
介護保険の利用には、市町村からの要介護認定が必要だが、申請から認定まで1カ月以上かかることが多いため、認定が間に合わずに介護サービスを受けられないまま亡くなるケースがある。国立がん研究センターの調査によると、死亡前6カ月間に介護保険を1回も利用したことがないと回答したがん患者のうち、23.3%が「申請したが利用できなかった」と回答している。
厚労省の対応策
厚労省は5月31日に発表した事務連絡で、以下の5つの対応策を示した。
①暫定ケアプランの作成
要介護認定申請後、認定結果が出る前でも市町村の判断で暫定ケアプランを作成し、迅速に 介護サービスを提供する。
②迅速な要介護認定の実施
入院中のがん患者等について、オンラインによる認定調査を実施可能にし、認定調査員が再度の対面調査が不要と判断した場合にはオンラインのみで認定調査を完了できる。
③介護認定審査会の柔軟な運用
がん患者等の迅速な対応が必要な場合、要介護認定の申請を受けた同日のうちに認定調査を実施し、直近の介護認定審査会で2次判定を行う。委員の確保が難しい場合は、委員定数を3人とするなど柔軟に運用する。
④医療機関の適切な対応
医療機関は、がん患者等に対し介護サービスの活用を提案し、介護保険利用のための情報提供を行う。
⑤福祉用具貸与の取り扱い
迅速な要介護認定が難しい場合でも、福祉用具の貸与を迅速に行うための手続きを進める。
これらの施策により、末期がん患者などが迅速に介護サービスを利用できる環境が整うことが期待される。医療・介護の連携が重要であり、厚労省は関係者に対し積極的な対応を求めている。
参考資料:https://www.mhlw.go.jp/content/001259236.pdf