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速報(JS-Weekly)

〈全国老施協〉

第5回正副会長・委員長会議(拡大)開催 介護報酬改定や総合経済対策への働き掛けも大詰めに

JS-Weekly No.901

#要望活動 #内閣総理大臣表彰

各地の介護現場の現状がエビデンスに。要望活動も待ったなし

 全国老施協は10月19日、「第5回正副会長・委員長会議(拡大)」をテレビ会議で開催した。小泉立志副会長は開会のあいさつで、令和6年度の介護報酬改定や物価高騰対策などに関する働き掛けについて「ここにきて、介護報酬改定6月案が出てくるなど、予断を許さない状況となっているが、会員の皆さんには、それぞれの地域で、政治や行政に対する働き掛けを進めてほしい。総合経済対策での介護職の賃金増額の話も出てきたが、最も望ましい形を目指し、検討していかなければならないと考えている」と述べた。大山知子会長は令和5年度九社連老人福祉施設協議会職員研究大会に出席しており、福岡より次のように語った。「収支状況報告の結果、約6割が赤字という最悪の状況が明らかになった。次期介護報酬改定でプラス改定を勝ち取れなければ、介護崩壊を起こしてしまう。さらに時間もあまり残されておらず、11月が勝負となる。全国老施協として各方面へ働き掛けているものの、それだけでは弱い。各地から介護現場の状況について声を上げてもらい、それをエビデンスとして、より強く要望活動を進めていきたい」。

 そのだ修光常任理事は「介護報酬改定前に、まず補正予算で対応してもらわなければ、間に合わず、つぶれてしまう社福も出てくるだろう。例年より厳しいが、ここで力を合わせ活動していこう」と呼び掛けた。

内閣総理大臣表彰受賞施設に学ぶ介護職員の働きやすい職場環境づくり—第2弾

 今回は、全国老施協の会員施設である社会福祉法人友愛十字会法人本部事務局介護生産性向上推進室長の鈴木健太氏が特別講演を行った。同法人の砧ホームは、令和5年度介護職員の働きやすい職場環境づくりで内閣総理大臣表彰を受賞。介護現場での生産性向上について、ガイドラインを効果的に用いて、施設の方針を職員に共有・浸透させる取り組みが高く評価された。鈴木氏は3つのポイントを挙げた。

  1. テクノロジーの効果的な活用…介護ロボット(PARO、眠りSCAN、マッスルスーツなど)、ICT(インカム、記録入力ソフトなどを導入しタブレットで管理、見守り支援機器)
  2. 生産性向上に資するガイドラインの浸透…働く人のモチベーションの向上、楽しく働きやすい職場づくり(業務フローの再構築による人員配置の最適化など)
  3. 多職種協働原理…介護職のパフォーマンスを他職種がサポート(介護職の研さん精励が前提)

 表彰式では、岸田文雄首相から「この成功事例を全国へ広めてほしい」との言葉があった。

委員会・部会の活動報告 主要ポイント

総務・組織委員会
  • 入会促進の取り組みについて、リニューアルした入会促進パンフレットの配布や、8か所の重点地域に設定した取り組みを行う。
  • 2035の会での検討項目として、委員会間の連絡強化や全国老施協の存在意義をPRする「JSブランド」の構築などが挙がっている。
広報委員会
  • 第16回介護作文・フォトコンテストの応募は約4700件見込み(9月18日締め切り)。10〜11月に事前審査、12月の最終審査会を経て、令和6年1〜2月に受賞作品を確定する予定となっている。
特別養護老人ホーム部会
  • 令和5年度老健事業「離島・過疎地域における小規模特養の事業継続モデル研究事業」において第1回小規模特養運営会議および現地ヒアリングを実施。①離島モデル:沖縄県(10月2日)、②過疎地モデル:島根県(10月12日)。
  • 収支状況等調査は、調査を9月29日で締め切った。今後は回答をデータベース化し、報告書のとりまとめに向け分析を進める。
養護老人ホーム部会
  • 養護老人ホーム被措置者数等調査を非会員を含む922施設を対象に実施(10月16日現在の回答率36.9%)。締め切りは12月1日。
  • 養護老人ホーム職員研修会は、第1回(11月14日・令和6年2月27日)、第2回(12月21日・令和6年3月18日)とも、申し込み多数につき、定員を増やして開催(申し込みは10月上旬で締切)。
軽費老人ホーム・ケアハウス部会
  • 生活費実態把握調査を今後に実施予定。
  • 11月21日にブロック代表者会議を開催するほか、職員研修会(支援困難ケースと施設経営をテーマとしたグループワーク)、軽費老人ホーム・ケアハウス経営改善推進セミナーを企画している。
デイサービスセンター部会
  • 第4回デイ部会(9月29日)では、令和6年度介護報酬改定についての協議のポイントを取りまとめた。①介護報酬改定の増額、②特別地域加算等の通所介護への適用、③入浴介助における加算Ⅰの増額と加算Ⅱの周知徹底、④認知症加算および中重度ケア体制加算の複層化、⑤複合型サービスの在り方の5点。
ロボット・ICT推進委員会
  • 介護ロボット・ICT利活用セミナー事業の進行について動画撮影を実施(12月5日)し、対談内容については『月刊老施協』に掲載予定。
  • デジタル化ボトムアップ支援事業の後期の実地研修について、9月末で募集を締め切り(参加施設数33施設、参加人数126名)。11月より開始予定。
老施協総研運営委員会
  • 令和5年度公募調査研究助成事業について、5つのテーマを決定。
    ①特別養護老人ホーム利用者の重度化に伴う認知症ケアのエビデンスや看取り支援に関する調査研究
    ②介護現場の生産性向上に関する調査研究
    ③介護人材確保に向けて、介護業界への就職者を増やすための方策に関する調査研究
    ④老人福祉・介護事業における女性のキャリアアップに関する調査研究
    ⑤地域福祉における老人福祉施設の役割・今後の展望に関する調査研究
  • 令和6年度介護報酬改定に向けたスポット調査(特別養護老人ホームの医療対応に関するアンケート調査、介護報酬改定での経過措置における対応状況に関する調査)。
大会・フォーラム委員会
  • 第2回全国老人福祉施設大会・研究会議~JSフェスティバル in 岐阜~の一般参加申し込みの受付状況は、現地参加794名、オンデマンド配信96名(10月24日時点)。現地参加の申し込み締め切りは11月21日。
JS次世代委員会
  • 四役会議(10月5日)で、第2回全国老人福祉施設大会・研究会議~JSフェスティバル in 岐阜~で開催する次世代ワールドカフェの内容について協議。
  • 新型コロナウイルス感染症が5類に移行してからの施設の取り組みに関するアンケートについて協議(実施・質問内容)。
災害対策委員会
  • BCP作成後における研修動画の撮影・収録を10月20日に実施。編集後HPにて公開予定。
  • 全国老施協DWAT関連事業の登録状況を報告。10月19日現在、1都30県2市より1179人が登録。