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速報(JS-Weekly)

〈広島大大学院・日本老年医学会〉

新型コロナウイルス感染対策、認知症に悪影響 施設の約7割が認識

JS-Weekly No.883

#新型コロナウイルス #認知症

重度認知症の人に悪影響が生じたのは、施設が実施した感染対策が要因か

 広島大学大学院と一般社団法人日本老年医学会が行った全国調査(3回目)によると、医療・介護施設の約70%が、新型コロナウイルス禍による生活の変化で認知症の人の状態に「影響が生じた」と認識していることが分かった。施設が実施した感染予防対策が、認知機能の低下といった悪影響を及ぼしたと推測される。

 調査は流行「第8波」の最中だった今年1~2月に実施。全国の特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームなど995の医療・介護施設から回答を得た。

 施設が実施した感染予防対策の実施状況(複数回答可)は、「家族・友人との面会制限」が最多の935施設(94.0%)であった。次いで「外出制限」が885施設(88.9%)、「施設へのボランティア訪問の中止」が849施設(85.3%)などで、施設外の人との接触を減らす対策が多かった。

 生活の変化により、重度認知症の人に生じた悪影響(複数回答可)は、「認知機能の低下」が最多の500施設(78.0%)であった。次いで「身体活動量の低下」が434施設(67.7%)、「基本的日常生活動作の低下」が428施設(66.8%)、「興味・関心、意欲の低下」が371施設(57.9%)などであった。

「影響が生じた」と回答した施設は令和2年の1回目は約39%、3年の2回目は約53%。新型コロナウイルス禍の長期化が患者・入所者の心身に深刻な影響を与えている実態が浮き彫りになった。

参考資料