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〈政府〉

岸田首相、マイナカード誤登録問題の再発防止対策を関係閣僚に指示

JS-Weekly No.880

#マイナンバーカード #マイナ保険証 #誤登録問題

全保険者に対し、登録データの点検を要請。6月末に中間報告を公表

 河野太郎デジタル大臣は5月26日の閣議後の会見において、マイナンバーカードと健康保険証を一体化させた「マイナ保険証」に別人の情報が登録されていた問題について、「国民の皆さまに不安を与えるようなことになってしまい、大変申し訳なく思う」と陳謝した。岸田文雄内閣総理大臣から5月25日に、デジタル庁が中心となって「全てのデータやシステムを再点検するなど万全の対策を、迅速かつ徹底して講じるように」と再発防止に向けた対策を指示されたことを明らかにした。

 また、人間が作業する以上、データの誤登録は起こり得るという見方を示した上で、「人が介在する機会を減らすようなデジタル化を推進していく」と再発防止策の方向性を述べた。

 加藤勝信厚生労働大臣も改めて謝罪。オンラインでの資格確認や医療情報の活用、そのメリットを享受してもらうためには「システムに対する信頼が非常に大事」との認識を示した。全保険者に対して登録データの点検を要請し、7月末までに報告を求めた。6月末に中間報告を公表する予定。

マイナ保険証の申請・管理、高齢者施設の9割超が対応困難

 厚生労働省は、薬の処方歴など正確な情報に基づく診断ができるなどマイナ保険証の利点を説明しているが、医療・介護の現場では、要介護高齢者などがマイナンバーカードを申請・取得できず、取り残されるのではないか、という懸念が強まっている。

 政府は、重度の認知症などで自分で申請・取得が難しい人について、施設職員や支援団体などに協力を求めることを検討している。ただ、申請には暗証番号の設定が必要で、取得後もマイナンバーカードや暗証番号の管理が負担となる。

 全国保険医団体連合会(保団連)は今春、全国の高齢者施設にアンケートし、1219施設が回答した。申請代理に対応できない施設が93%。暗証番号を含むマイナンバーカードの管理も「できない」施設が94%であった。

マイナンバー法などの関連法改正案、今週可決、成立へ

 自由民主党の野上浩太郎、立憲民主党の斎藤嘉隆両参議院国対委員長は5月30日、現行の健康保険証の廃止などを盛り込んだマイナンバー法など関連法改正案について、5月31日の参議院地方創生・デジタル特別委員会で採決する日程で合意した。6月2日の参議院本会議で可決、成立する見通し。