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〈福祉医療機構〉
特養の約7割が「職員不足」前年度調査より13.5ポイント悪化
JS-Weekly No.874
#特別養護老人ホーム #外国人人材
介護職員、勤続3年未満の退職が全体の半分以上
独立行政法人福祉医療機構(WAM)は、3月27日に「2022年度特別養護老人ホームの人材確保および処遇改善に関する調査について」というリポートを公表した。調査は令和5年1月16日〜2月17日にWebで実施し、特別養護老人ホームを運営する679法人・701施設が回答した(有効回答率20.5%)。介護・看護職員や理学療法士など、利用者のケアに直接あたる者を「職員」と定義している。
このリポートによると、令和5年1月1日現在の各施設における職員の充足状況について、「職員が不足している」と回答した施設は481施設(68.6%)で、前年度調査よりも13.5ポイント悪化した。不足している人数の平均は3.6人(前年度調査比0.2人増)であった。
介護助手の配置状況をみると、定員規模49人以下の施設では37.8%、1施設当たり2.7人、定員規模100人以上では65.0%、1施設当たり6.2人で、定員規模が大きいほど介護助手を配置している施設の割合が増える傾向にあった。
また、令和3年度に介護職員の退職があった施設の割合は96.1%(1施設当たり6.4人)で、このうち「勤続1年未満」が29.8%、「1年以上3年未満」が25.0%で、勤続3年未満の退職が全体の半分以上を占めていた。この傾向は前年度調査でも同様で、WAMは「引き続き定着が課題」とした。
外国人人材を「雇用している」施設の割合は半数以上
同リポートの外国人人材の雇用状況をみると、外国人を雇用している施設の割合は年々増加傾向にあり、WAMは今回の調査で初めて半数を超えたと報告した。
外国人人材を「雇用している」と回答した施設の割合は51.2%、「雇用していないが過去には雇用していた」は9.8%、「一度も雇用したことはない」は38.9%。WAMは「都市部では雇用している施設が比較的多い一方、地方部では少ないことが過去の調査から分かっている。全国一律に外国人人材の活用が進んでいるわけではない」と推察している。
受け入れ形態をみると、「技能実習」が42.9%で最も多く、次いで「特定技能1号」が40.7%となっている。「特定技能1号」は前年度(19.6%)からの伸びが顕著で、WAMは「即戦力として現場に投入しやすいといったメリットがあり、急速に受け入れが進んでいる」と考えている。