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速報(JS-Weekly)

第259回 社保審・介護給付費分科会が開催される

▶小泉副会長、訪問介護、居宅介護支援について意見

 厚生労働省は6月29日、第259回社会保障審議会介護給付費分科会を開催した。議題は以下のとおり。
【議題】
1. 令和9年度介護報酬改定に向けて
(訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、居宅介護支援、福祉用具・住宅改修)

 全国老施協から委員として出席した小泉立志副会長は、訪問介護、居宅介護支援について意見をした。

■訪問介護

①経営状況と地域での安定的なサービス提供
 概況調査では収支差率9.6%、金額は月額31.6万円と示されたが、令和6年度改定では、平均的な収支差率の数字だけを根拠に論議が進み、マイナス改定となったことで、特に小規模や在宅ベースの訪問介護事業所の運営は限界に達している。次回改定では、論点で示したように経営状況の特性をきめ細かく分析し、地域でサービスを安定的に継続できるような、実態に即した慎重な論議をお願いしたい。

②算定率が低い加算と地域の提供体制の確保
 特定事業所加算の重度者等対応要件の緩和について、現在の訪問介護の受給者割合は、要介護2以下が約6割を占め、要介護1、2、3の合計は全体の約75%となる一方で、重度者要件などがある特定事業所加算Ⅴの算定率は事業所ベースで0.3%で、ほぼ算定されていない。重度者の要件を緩和し、現在加算Ⅱを算定している事業所の多くが加算Ⅰへ移行できるようにすべきである。

③複雑化したサービス体系の簡素化について意見
 認知症専門ケア加算(Ⅰ)(Ⅱ)の算定要件について、「認知症介護指導者養成研修」の修了者の配置要件があるが、この研修は地域の実践リーダー等の養成を本意とするものであるため、小規模な事業所が多い訪問介護においては、加算(Ⅰ)(Ⅱ)とも皆無に等しい状況だ。地域密着型や居宅サービス等においても、同研修を要件とする加算は軒並み算定率が低く、各施設・事業所が目指すべき加算として機能しているとは言えない。

 制度の簡素化を図りつつ、加算(Ⅰ)の要件を「認知症介護実践者研修」修了者に、加算(Ⅱ)の要件を「認知症介護実践リーダー研修」修了者に変更すべきである。

■居宅介護支援

①特定事業所加算
 特定事業所加算Ⅰの事業所ベースでの算定率は1.71%と極めて低調であることが示されている。この最大の要因は、「要介護3、4、5の割合が40%以上」という要件のハードルの高さにある。現在の要介護度別受給者数では、要介護者のうち要介護3以上の重度者が占める割合は35%ほどのため、地域の利用者を広く受け入れ、事業所を大規模化して安定的な運営を目指せば目指すほど、利用者の分布が全体の平均値に近づくため、40%以上の要件を満たすことが構造的に難しいという矛盾が生じる。

 質の高いケアマネジメントを地域で安定的に提供する体制を維持し、事業所運営の安定化のために、実態に即した重度化要件の緩和が必須と考える。

②予防プランのあり方
 令和6年度より、指定を受けた居宅介護支援事業所が直接、介護予防サービス計画(予防プラン)を作成できるようになった一方で、総合事業を対象とする介護予防ケアマネジメントは、従来通り地域包括支援センターからの委託で実施する形が残っている。今後、制度の見直しにより、介護予防ケアマネジメントも居宅介護支援事業所が直接市町村から受託して実施可能となる方向だが、同じ「要支援」の方を、「介護予防ケアマネジメント」、「予防プラン」と、区分けの必要があるのか疑問。

 現状では、極めて煩雑な事務作業が発生するため、介護予防ケアマネジメントの対象を「事業対象者」のみに限定し、「要支援者」はすべて「予防プラン」への枠組みへの統一を提案する。

 ケアマネジャーは身寄りのない高齢者の増加に伴い、複雑化する課題への対応で疲弊しており、実効性のある要件緩和について、積極的な検討をお願いしたい。

③埼玉県川口市での痛ましい事件について
 本日の資料にも暴力やハラスメント対策に関する言及があるが、密室となる訪問現場では、職員が死傷やハラスメントの被害に遭うリスクに加え、逆にサービス提供者側による不適切なケアや虐待が発生してしまうリスクも懸念される。

 こうした事態への最も有効な予防的措置は、状況に応じた「複数名での訪問」である。現場で働く職員の命と安全を確実に守り抜くために、今後は「複数名で訪問した際の報酬上の加算」の創設を、明確に検討していくべきである。

 

(参考資料)
https://www.roushikyo.or.jp/index.html?p=we-page-menu-1-2&category=19325&key=21769&type=contents&subkey=613863