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特集

大山会長からのエール 令和8年度の新職員に向けて!

 新職員皆さまに、大山会長より応援のメッセージをいただきました!

 毎日のお仕事で何かと感じることが多い時期だと思いますが、同じく介護のお仕事に従事する一人の先輩として大山会長の言葉を胸に刻み、日々過ごしてみてください。きっとあなたの人生にとってプラスになりますから。

 

全国老人福祉施設協議会 会長
社会福祉法人蓬愛会 理事長

大山知子


つらいと感じたときは 自分にため込まず相談する

 この春から介護のお仕事に就いた皆さん、おめでとうございます。

 介護とは、施設利用者の一生をお預かりし、その方と最期まで一緒に過ごし、そして看取っていくお仕事です。人生の締めくくりを一緒に歩むことができる、ほかでは経験できない崇高な仕事だと思って従事していただきたいと思います。

 実際に現場に出て働いてみると、学校で学んできたこととは異なり、驚くことが数多くあると思います。それは、皆さんが対たい峙じしている方が生身の人間であり、その方の生活にまつわる全てのことに対処するお仕事だからです。あなたと隣を歩いている人の性格が異なるように、人によって何がうれしくて何が嫌なのかはさまざまです。利用者が笑顔で最期の時を迎えられるよう、日々寄り添い、お世話しているということを心に留めておいてください。

 そして、つらいと感じたときは周りで働く同僚や先輩に相談してください。同僚は同じ思いに共感し、先輩は同じ道を歩んできた先人なので、必ず良いヒントをくれるでしょう。大変でつらい経験をしたことがあるのは自分一人ではない、ということを常に頭の片隅に持っていただけるとうれしいです。

 そして、後輩が入り先輩になる方は、自分の初めてのころを思い出し、アドバイスとともに当時感じたことを伝えてあげてください。失敗も驚きも自分だけが感じていることではない、ということを伝えるだけで、孤独ではなくなります。そして成長の大きな糧になっていくと思います。また自分自身、新人に接することで忘れていた大切な何かを取り戻すきっかけになるかもしれません。

 利用者の方が此処にいる間、その人らしくあり続けるためにどう支援できるか、それを常に考えながら日々のお仕事に励んでいただきたいと願っています。そのためにも、一緒に働く仲間や利用者一人一人を知り尽くしていくことが大事です。

 私が現場で働いていたとき、落ち込んだ気持ちを明るくしてくれたのは利用者の方々でした。皆さんが頑張っている姿を、一番近くで毎日見ていて感謝してくれる。利用者の笑顔こそが力の源になっていきます。この仕事は決して一方的ではありません。人と人なので感情が動き、互いに支援されているのです。改めて考えるとすごくすてきな仕事場だと思います。

 今の日本を支えてきた方々に、”最期までその人らしく生きてほしい”と介護業界ではよく語られますが、私はそれを「介護の品格」と考えています。利用者の尊厳を守ってこそ品格のある介護ができるのだと思います。そのためには、介護従事者が確かな倫理観を持ち、利用者の最期を満足のいくものにするというプライドを持つことが大事です。

 もちろん仕事=給料と考える気持ちも分かります。見合わない給料でプライドを持ちなさい、崇高な気持ちで常にいなさいというのは、私たち経営者の甘えです。そこはしっかりと処遇改善をしていくために動き続けますが、ただ給料だけではない、それだけでは買えない魅力ある仕事であるということも理解していただきたいと思います。

 私たちの未来をつくってきた、今の日本を築いてきた方たちのために何ができるのか。それを考えて日々の仕事に向き合っていただけるとうれしいです。この仕事で得られる経験は、他では決して得ることができないものです。お金では測れない多くの財産を得て、人間として大きく成長していただければ幸いです。

日々のお仕事が人生の糧になる。同僚や先輩にたよろう!

介護職員と利用者さんとの写真


構成=佐藤義徳/撮影=磯﨑威志/取材・文=玉置晴子