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J Sフェスティバル in山口 誌上レポート10 【実践研究発表】 第4分科会 2040年を展望した在宅サービスの挑戦と可能性 ~地域を守り、支えるためのケアと経営~

地域で暮らしを支える“力”の再構築

最初の登壇は、▶︎鷹栖町デイサービスセンターはぴねす(北海道/谷 和仁)。「稼働率100%を実現! デイサービス運営改善の軌跡」では、利用減少という危機を正面から捉え、運営改善と職員の意識改革を重ねることで稼働率回復と現場の自信を回復させる好循環を生み出した過程を報告。そのなかで「稼働率は結果であり、日々の選択と行動の積み重ねが数字に表れる」と述べ、現場主体の改善の重要性を強調しました。続いては、▶︎慈光園中央デイサービスセンター(山形/牛澤翔太)。「サービスの質は“仕組み”で上がる」により、業務整理と生産性向上を通じてご利用者と向き合う時間を取り戻す仕組みづくりを共有しました。3番目は、▶︎しらとりハワイアンデイサービス(茨城/船橋祐子)。「シニアフィットネスで心も身体も大満足!」では、選択理論心理学を活用した満足度評価の結果と生活意欲の向上を後押しする取り組みを提示。「人は自ら選んだ行動によって意欲が引き出される」との考え方のもと、こころの充足が身体機能にも好影響をもたらすことを示しました。▶︎デイサービスセンター伊勢マリンホーム白子(三重/林 純子)が「自立支援」をテーマに環境づくりとプログラム見直しを行うことで、元気に自宅で暮らし続けるための支援を丁寧に示しました。 休憩後は、▶︎蓬莱会デイサービスセンター(徳島/樫本保子)が登壇。「居心地分析シートの活用」によりご利用者一人ひとりの“居心地”を見える化し、ケアの質向上へ結び付ける実践を紹介。続く▶︎デイサービスセンターこうのとり(大阪/八藤晃徳)は、「あふれる笑顔には理由がある」を通じ、言葉かけや空間づくりを含めた総合的ケアの工夫を共有しました。その後、▶︎幸楽荘デイサービスセンター(宮崎/黒岩正憲)が「在宅生活の維持と健全経営にむけて」において、ノルディックウォーキングを核とした意欲支援の成果を提示。「能力が上がることで意欲も高まり、在宅生活の安定につながった」と数値に基づく手応えを語りました。ラストは▶︎高草あすなろデイサービスセンター(鳥取/安部美幸)。「デイサービスに求められているものとは」では、アンケートを基盤にした改善サイクルの実践を紹介しました。 審査の結果、丁寧な業務改善で生産性向上とケアの質の両立を図った慈光園中央デイサービスセンター、そして“楽しみ”と“自立支援”を両立させたデイサービスセンター伊勢マリンホーム 白子が奨励賞に。利用者減少という逆風のなかで、現場主体の改善を積み重ねてきた姿勢が評価され、鷹栖町デイサービスセンター はぴねすが優秀賞に選ばれました。これらの実践は、改善を重ねることで道を切りひらき、在宅サービスの未来に確かな可能性を示しました。
撮影=菓子谷 梨沙、児玉 一成、吉本 博史 取材・文=冨部 志保子、池田 佳寿子、箭本 美帆、濵口 ゆかり