こころとからだ

こころの橋わたし

〈お悩み 11〉友達から「介護職はだれでもできる」と言われたことがあり気持ちがもやもやしています。仕事に自信がもてません。

「介」という字には「間でとりもつ」「たすける」という意味があります。
尊いお仕事をされている皆さまのこころとこころをつなぐヒントになれば幸いです。

 

 

 

 

お悩み

友達から「介護職はだれでもできる」と
言われたことがあり気持ちがもやもやしています。
仕事に自信がもてません。

 

妙慶

無責任な言葉にあなたが 支配される必要はありません。 自分のやるべきことを 自分でやることが
人間にとって もっとも重要な役割なのです。

 

 先日、介護施設にお見舞いにいくと、車いすに座っている親御さんを立たせようと、脇を抱きかかえている息子さんがいました。ところが、まるで社交ダンスをしているようでうまく動かせられません。そこに介護職員の方が来て、腰から「クイッ」と持ち上げて、一瞬にして立たせていました。まさにプロの技だと感心させられました。

 人間は経験のないものは「頭で想像」し、あたかもできると錯覚してしまうのです。また人間には「慢(うぬぼれ)の心」があり、自分は上で、相手は劣っていると見てしまうのです。だから自分の仕事は上、介護の仕事は下だと思い込んでいるのでしょう。

 お釈迦さまは「自己こそ自分の主(ぬし)である」とおっしゃいました。大切なのは、「自分のつとめに専念する」ことです。「介護はだれでもできる」というのは、経験のある人なら決して言えるものではありません。その無責任な言葉にあなたが支配される必要はないのです。自分のやるべきことを自分でやることが人間にとってもっとも重要な役割なのです。

 今度「介護はだれでもできる」と言われたら「本当にそう思う?」と確認してみてくださいね。