こころとからだ
こころの橋わたし
〈お悩み 03〉私は人に役立つ仕事が好きで介護職ですが、営業マンの夫は売り上げばかり。 価値観の違いに辟易とします。
「介」という字には「間でとりもつ」「たすける」という意味があります。
尊いお仕事をされている皆さまのこころとこころをつなぐヒントになれば幸いです。
お悩み
私は人に役立つ仕事が好きで介護職ですが、
営業マンの夫は売り上げばかり。
価値観の違いに辟易とします。
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妙慶
心使いという布施が あってこそ、
売り上げに つながるのでしょう。
ようこそお便りくださいました。連れ合いさんは、会社の業績を向上させることで人間としての評価が上がると思われているのでしょう。
数年前、自宅で化粧品店を営んでおられる方から「売り上げが全くない」という悩み相談を受けました。私はその方が店内にいる姿を予告なくご家族の誰かに動画撮影していただく提案をしました。
しばらくして、娘さんが店内の様子を撮影して見せたところ、その方は、自分が接客している姿に愕然としたそうです。商品を買わずに立ち話しをしているお客さんに「買わないのであれば外で話してください」と怒鳴っている姿です。
報告を受けた私は「布施の心があってはじめて売り上げにつながるのですよ」とお伝えしたのです。お客さん同士が話している姿を見て、笑顔で「お話が弾みますね」とやさしい言葉使いをすることで、そのお客さんは「次回もまた、あの店に行ってみたい」と思うのです。それが和顔施(笑顔の布施)、言辞施(言葉の布施)、心施(心の布施)です。
心使いという布施があってこそ、売り上げにつながるのでしょう。そのことを教えてさしあげてはいかがですか。あなたがなさっている福祉は、まさに施(ほどこ)しのお仕事なのですよ。学べるところ、共感することが必ずあるはずです。