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特集

第3回 全国老人福祉施設大会・研究会議 JSフェスティバル 誌上レポート③ 女性キャリアアップ 推進部会プログラム

現場で活躍する女性管理職 からの実践的提言!

 地域密着型特養ささづ苑かすがの古柴氏は、従来の実践的な取り組みとして「ロールモデル(メンター)の継続的個別支援」を挙げました。「コミュニケーション能力が高いケアマネを女性初の事務長に抜擢したのが転換期でした」。以後、その女性ロールモデルをメンターとして、継続的な個別支援を実施。同時に、夜勤の免除制度や時間有休の取得など業務体制の見直しを行いました。また、キャリア形成支援のために、半期に一度、女性職員を対象に能力アップやキャリア形成を目的としたカウンセリングを行っていることを挙げ、「男性の働き方が変われば、女性の改革は進む」と提起しました。

 続いて、社会福祉法人隼人会まきば園の根岸氏は、キャリアを築きにくい子育て中のパートスタッフへのアプローチとして、①スタッフの時間を尊重する ②自己実現を叶える ③多種多様なバイアス「思い込み」を解く、という3つを紹介。このうち③については「女性だけが仕事と家庭の両立に悩まなければいけないという固定概念に気づくことが大切」とし、バイアス解除のために入職時のハラスメント研修や個人面談、ロールモデルの提示などを行っていることを紹介。その結果、「管理職の男女比はそれぞれ50%、介護職パートの介護福祉士保有率は58%となり、うち60%の職員が就職後に介護福祉士の資格を取得しています」。

 今回オンラインで参加した日本女子大学の周教授は、「介護業界は他業種に比べて女性管理職の比率が高い反面、潜在的な離職者が多く、上位管理職に女性が少ないという課題も併せ持っていると指摘。女性の活躍が介護業界の存続に関わるといっても過言ではないと話しました。

 司会の老施協山田副会長は「実践的な事例を多くご提供いただいた。『男性の働き方が変わると女性の働き方も変わる』との意見が印象的だった」とし、女性キャリアアップ推進部会部会長の藤井氏は、昨年、本会会員施設の管理職・施設職員を対象に実施した意識調査で、女性回答者の半数以上が「キャリアアップに興味がない」と答えたことに触れ、ジェンダーバイアスの解除やロールモデルの提示とともに、「対話を通して個々の可能性を引き出すことが大切。女性の視点を踏まえ、より個別性の高いケアを実現していきたい」と話し、同部会で今後そのための研修を行っていくことを約束しました。

撮影=本田真康 取材・文=池田佳寿子