福祉施設SX

特集

J Sフェスティバル in山口 誌上レポート2 基調報告 全国老施協 会長 大山 知子

全国老施協の取り組みについて

 令和7年の全国老施協の取り組みとして、補正予算、期中改定、介護保険制度見直し、養護・軽費ケアハウス、という項目を中心に全国老施協の活動状況をお伝えしました。養護老人ホームやケアハウスなども含めて介護福祉施設が閉鎖に追い込まれることは、国民にとってセーフティーネットの役割がなくなることであると陳情活動を行い、そのなかで、会員施設の生の声を政府の要職の方々はじめ多くの国会議員の先生方や関係省庁の皆さまに届けられたのは、非常に手応えがあったと語りました。

 「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会へ出席しており、ご自身での発言や報告書の要点を抜粋して、日本列島はすべて同じでないため、人口減少地域、中山間地域、一般市、そして大都市部とエリア分けをしながら、それぞれが抱える課題を整理することが大切であると説明されました。

 もっとも緊急を要する人材不足については全産業が深刻化するなかでも、とりわけ介護業界が厳しい状況にあることを訴えるとともに、補正予算および令和8年度期中改定による対応を要望してきた旨を報告いたしました。

 

「今」伝えたいこと

 基調報告の後半では、会長自身が体験した自施設のご利用者とそのご家族との感動的なエピソードを披露しつつ、介護職という仕事の意義や、仕事を通して体験できることについて次のように語りました。

 「私は人のためならば、会員さんのためならば、どんなに大変でも動いて、汗をかくのが自分の使命だと思って働いてまいりました。

 なぜそんなに働けるんだ、動けるんだとお尋ねされることもありますし、少しは気を抜いてもいいのではとお声がけいただく時もあります。でも、私は現場で働き、事務員から、生活相談員もし、そして次長、施設長をしながら今、理事長職におります。オールマイティーに働き、ご利用者、そのご家族と関わるなかで今の私が作られている。私の人格形成は、この経験値が大きな土台となっております。現在、理事長職、会長職に就任してからもそれを思い出すことで奮い立ち、行動を起こしております。

 全国各地の現場で働いている職員の皆さまは、同じようにご利用者とそのご家族をしっかりと支えていることと思います。そして、さまざまなご利用者やご家族との関わりのなかで、多くのことを経験し、思い出をもらいながら、それが自分の力になっているのではないでしょうか。

 高齢者の生活を守り、一人ひとりに思いをはせながら仕事をしている職員の皆さまがいて、その手のなかで終末を迎えられる高齢者やつらい胸のうちを吐露してくださるご家族がいる。私たちの仕事を本当に尊敬の念で見てくださる方々がいることが今の私の原動力であり、しっかりと前に突き進む礎になっています。皆さまも、大変なことがたくさんあるとは思いますが、どうぞこの仕事に誇りをもって一緒に前に進みましょう。私どももこの魅力ある仕事を多くの皆さまに発信してまいります。

 これからも全国老施協にご理解いただきながら応援していただければ幸いでございます」

 

撮影=菓子谷 梨沙、児玉 一成、吉本 博史 取材・文=冨部 志保子、池田 佳寿子、箭本 美帆、濵口 ゆかり