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速報(JS-Weekly)

ロボティクス社会実装のための実証拠点「リビングラボ」を拡充

#ロボティクス社会実装 #リビングラボ #国立長寿医療研究センター

▶次世代高齢者支援に向けての環境整備と実証研究を推進

 国立長寿医療研究センターは8月19日、次世代の高齢者支援ロボティクスを社会実装するための実証拠点「リビングラボ」を拡充したことを発表した。

 急速な超高齢社会の進展により、IoTセンサーやAI技術を活用したロボットへの期待が高まっている中、同センターでは健康長寿支援ロボットセンター・ロボット臨床評価研究室を中心に、次世代の高齢者支援ロボティクスの開発と社会実装を加速するための実証拠点として、2022年に「リビングラボ」を設立。産学官の連携のもとでロボットの開発・実証・社会実装を一気通貫で支援できる環境として機能強化を進めてきた。リビングラボは、ロボットやAIを実生活の中で活用し、現場の課題を見つけ、技術で解決していく「共創型の実証空間」。介護・医療・生活支援の三分野を横断して評価・開発を行う全国でも希少な拠点として、社会課題の解決に貢献している。

 同センターでは、評価対象となるロボットの多様化や、現場からの実証ニーズの高まりを受け、このリビングラボの設備と機能を今年7月に拡大した。

 具体的には、従来の「生活支援実証室」に加え、新たに「ロボット実証空間」を整備。人工知能を活用したマーカーレス・モーションキャプチャリングシステムなどの先進的な計測技術を広い空間にも導入した。さらに研究エリアでは、転倒リスクのある高齢者や身体機能に制限のある方でも自由に活動できるよう、直感的に操作可能な電動車いす型ロボットなど、多様な支援ロボットを配備した。

 今回の拡充によって、より多様な活動や生活場面を支えるロボットの実環境での評価が可能となり、高齢者の生活を支える社会実装の取り組みが本格化している。すでにロボットメーカー、建築メーカー、エンターテイメント事業者、センシングメーカーなど9社を超える共同研究がリビングラボで始動しており、生活支援・医療・介護の現場での活用に向けた産学連携をさらに強化。開発から社会実装までを一貫して支援できる体制を整えた。

(参考資料:https://www.ncgg.go.jp/ri/report/20250819.html