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医療事故情報 第81回報告書を公表

#医療事故情報 第81回報告書

▶令和7年1~3月期の集計、胃瘻管理や持参薬与薬に関する分析も実施

 厚生労働省は6月25日、公益財団法人日本医療機能評価機構が作成した「医療事故情報収集等事業 第81回報告書」の公表を発表した。この事業は、医療事故やヒヤリ・ハット事例を収集・分析・提供し、医療安全対策の推進を目的として平成16年10月より継続しているものである。

 今回の報告書では、令和7年1月から3月にかけて、報告義務対象医療機関270施設から合計1,256件の医療事故情報が寄せられた。このうち「治療・処置」に関する事故が34.1%(428件)と最多で、「療養上の世話」(30.7%)、「薬剤」(7.5%)、「ドレーン・チューブ」(6.9%)と続いた。また、医療機器等に関する事故は45件(3.6%)、検査に関連するものは66件(5.3%)であった。

 併せて実施されている「ヒヤリ・ハット事例収集・分析・提供事業」では、1,405施設が参加し、発生件数情報報告が279,961件、事例情報報告が6,466件に上った。

 分析テーマとしては、「胃瘻・腸瘻の造設・カテーテル交換や管理に関連した事例」および「院外で粉砕調剤された持参薬の与薬に関連した事例」の2項目が取り上げられた。また、再発・類似事例の分析では、「誤った患者への輸血」が改めて注目されており、過去に医療安全情報No.11・No.110として発信された内容と重ねて報告された。

 厚労省は全国の医療機関や関係団体に対し、報告書の内容を確認し、同様の事例の再発防止および未然防止に活用するよう周知を依頼している。本報告書は日本医療機能評価機構の公式サイト(https://www.med-safe.jp/)にて公開されており、誰でも閲覧・ダウンロードが可能である。