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「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方検討会」中間とりまとめへ
#2040年に向けたサービス提供体制等のあり方検討会
厚生労働省は令和7年4月7日、「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会(第5回)を開催。これまでの議論で説明された各現状と課題・論点に対する意見やヒヤリングを基に「中間とりまとめ」の案を提示。参加した構成員から大筋の方向性としての合意を得た。
大山知子構成員(社会福祉法人蓬愛会理事長)は、既に危機的な状況となっている中山間・人口減少地域における配置基準等の弾力化の必要性等について、強く意見を述べており、それらが中間とりまとめに反映された。
(大山構成員の意見が反映された主な中間とりまとめ)
・中山間・人口減少地域においては、一定のサービスの質の維持を前提として、柔軟な対応を制度の壁に捕らわれずに講じていくことが必要。サービスの質の維持のためには、複数の事業所における人材のシェア、地域におけるタスクシフトやタスクシェア等による業務効率化を一層進めていくことも必要。
・中山間・人口減少地域において介護事業者が今後もその地域でサービス提供を維持・確保できる体制を整備するため、例えば、地域の中核的なサービス提供主体に対して、地域に残り続けるとともに、地域におけるサービスを維持・確保していくことなど一定の条件・特別の役割を付した上で、配置基準等の弾力化やインセンティブの付与等を講じるなど、新たな柔軟化のための枠組みを検討することが考えられる。
・中山間・人口減少地域においては、生産年齢人口の減少が全国に比して進んでおり、介護人材や専門職の確保が困難な中、常勤・専従要件や夜勤など、様々な配置基準について弾力化していくことが考えられる。
・令和6年度同時改定で導入された、施設等における高齢者の急変時における対応等が可能な協力医療機関との連携について、二次医療圏まで広げても医療介護連携のマッチングができていない福祉施設・介護施設が一定程度あり、地域差も大きいとの指摘がある。連携が進んでいない地域については、都道府県が行う地域医療構想調整会議の場を活用して、高齢者施設等の協力医療機関としての役割を担う医療機関を調整するなど、検討することが重要である。
・介護保険施設の一部で障害福祉サービス、保育等を行う場合に、元々の補助金の目的範囲外での返還を求められることのないよう、地域密着の施設から広域型施設への転用、10 年以内の一部転用の緩和等を行うなど、柔軟な制度的な枠組みの検討が必要との意見があった。この点は、他の福祉サービスの共通課題でもあり、本検討会において引き続き議論を深めていく。
なお、中間とりまとめ(案)の修正は座長に一任され4月10日付で公表されている。今後、中間とりまとめは介護保険部会に報告し、順次議論される。また、4月以降、障害福祉やこどもなど他の福祉分野と共通の課題、社会福祉法人の経営支援等について議論し、夏にとりまとめられる予定。