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老健の経営、やや回復傾向も依然3割が赤字―2023年度リサーチレポートより
#2023年度 介護老人保健施設(老健)の経営状況に関するリサーチレポート #利用率・単価上昇 #水道光熱費の支援
独立行政法人福祉医療機構(WAM)は3月31日、「2023年度 介護老人保健施設(老健)の経営状況に関するリサーチレポート」を公表した。
本調査は全国の融資先1,508施設(うち医療法人が78.2%)を対象に、財務諸表を基に実施されたもので、老健施設の収支状況や利用傾向が明らかにされた。
■経営状況の概況
事業利益率は2.3%(前年比+1.3pt)となり、経営はやや回復傾向にある。
赤字施設の割合は31.9%で、前年から9.2ポイント改善。
利用率・利用単価が上昇し、収益が増加。電気・ガス支援策等の影響で水道光熱費率も低下 (4.7%→4.1%)。
■利用動向と収益要因
入所利用率は90.5%(+2.2pt)、通所利用率は62.8%(+1.4pt)。
医療機関からの入所や家庭への退所がともに増加し、在宅復帰支援の強化が見られた。
入所1人あたりの年間収益は5,882千円(+215千円)。
■施設類型別の赤字割合
施設類型 |
赤字割合 |
前年度 比較 |
|
前年度 |
本年度 |
||
基本型 |
37.5% |
26.9% |
▲10.6pt |
在宅強化型 |
43.0% |
31.3% |
▲11.7pt |
超強化型 |
40.4% |
29.9% |
▲10.5pt |
療養型 |
13.3% |
13.3% |
±0.0pt |
■黒字施設と赤字施設の比較
黒字施設は入所利用率91.8%、赤字施設は87.1%と差が顕著。
事業収益や経費率にも差があり、人件費率は黒字施設で低水準。
ターミナルケア加算の取得率が黒字施設では高く、看取り体制の整備が経営にも影響していると見られる。
※出典:福祉医療機構「2023年度 介護老人保健施設の経営状況に関するリサーチレポート」(2025年3月31日公開)https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r6/