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2023年度 特別養護老人ホーム経営状況:改善傾向も赤字施設は依然高水準

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 独立行政法人福祉医療機構(WAM)は2025年3月21日、「2023年度特別養護老人ホームの経営状況に関するリサーチレポート(No.014)」を発表した。本レポートでは、全国の社会福祉法人が運営する5,456施設の経営データを分析し、改善傾向と課題の両面が浮き彫りとなった。

 

■主な分析結果

1. 経営状況の改善傾向

サービス活動増減差額比率が、従来型で1.6%、ユニット型で5.1%に上昇。

赤字施設割合は減少したが、従来型で41.7%、ユニット型で30.0%と依然高水準。

2. 利用率・待機者数の低下

待機者数は5年の間で30〜40%減少。2023年度は、従来型で103.1人、ユニット型で55.7人に。

地域により利用率低下傾向が見られ、競合や人口減少の影響が指摘されている。

3. 施設規模と経営状況の関係

規模が大きいほど黒字比率が高く、経営安定性が高い。

「30~59人」規模の従来型施設では赤字割合が約49%と最も高かった。

4. 黒字・赤字施設の特徴

赤字施設は、利用率・利用者単価が低く、人件費率が高い傾向。

黒字施設は、LIFE関連加算や看取り加算などの取得率が高いことが収益に寄与。

5. 短期入所利用率と収益の相関

短期入所の利用率が高い施設ほど、特養入所の利用率・待機者数も高く、経営指標も良好。

一方、「短期入所利用率50%未満」の従来型施設では、赤字施設が53.7%にのぼる。

 

■まとめ

 本レポートでは、特養の経営改善には利用率の維持・加算取得による単価向上が重要であるとし、今後は人員配置と利用実績の最適化がカギとされる。特に、人口減少地域では地域連携と運営体制の再構築が求められる。

 

(参考資料:https://www.wam.go.jp/hp/wp-content/uploads/250321_No014.pdf