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速報(JS-Weekly)

「近未来健康活躍社会戦略」、厚労省が公表

#近未来健康活躍社会戦略 #医療・介護のDX推進 #医師偏在対策

 厚生労働省は8月29日、今後10年近く先を見据えた「近未来健康活躍社会戦略」を公表した。この戦略には、医療・介護分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進や、医師の地域偏在に対する総合的な対策パッケージなどが盛り込まれている。

 この戦略は、少子高齢化や人口減少、デジタル化、グローバル化といった日本社会が直面する課題に対応するために策定されたものである。戦略の柱となるのは、国民皆保険制度を維持しつつ、医療・介護産業を育成し、その成果を国民に還元することを目指している。

 これにより、国民が健康で有意義な生活を送ることができる環境整備が図られる予定である。

 戦略は大きく分けて、国内戦略と国際戦略の二つの柱で構成されている。国内戦略では、①医療・介護DXのさらなる推進②医師偏在対策の推進③後発医薬品の安定供給体制の構築④女性・高齢者・外国人の活躍推進⑤イノベーションを健康づくり・治療に生かす環境整備⑥創薬イノベーションの6つのテーマが設定されている。

 国際戦略においては、8月26日に公表された国際保健ビジョンと連動し、①創薬力の強化による革新的新薬の開発②感染症危機管理体制の構築③アジア圏における医療・介護の好循環の実現④UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)ナレッジハブの日本設置の4つのテーマが掲げられている。

 さらに、医療・介護DXでは、電子カルテ情報の共有サービスを含む全国医療情報プラットホームの構築や、医療情報の二次利用、マイナ保険証の活用が進められる。また、医師偏在対策では、年内に総合的な対策パッケージが取りまとめられる予定であり、これに向けた骨子案や工程表も示されている。

 後発医薬品産業の構造改革に関しては、企業統合や品目統合に向け、金融・財政上の措置や法的な整理を5年程度にわたり集中的に進める計画が示されている。また、女性や高齢者関連の施策では、国立成育医療研究センターに開設される女性の健康総合センターや、認知症・軽度認知障害の早期発見と対応についても言及されている。

 保険外併用療養費制度の見直しについても、最先端医療への迅速なアクセスを可能にするため、保険収載を進めつつ、民間保険の活用も検討されている。この施策の一部は2025年度に着手される予定であり、来年度予算の概算要求に計上されている。

(参考資料:https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001295098.pdf