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速報(JS-Weekly)

新しい認知症観で施策推進

#基本計画素案発表

 政府は6月20日に認知症施策推進関係者会議で、今秋の閣議決定を予定する「認知症施策推進基本計画」の素案を示し、「新しい認知症観」に基づく施策を進める方針を発表した。素案では、認知症の人が基本的人権を有する個人として希望を持って生きるという考え方を強調している。

 

新しい認知症観の意義

 新しい認知症観は、「認知症の人が基本的人権を有する個人として希望を持って生きることができる」との表現が採用され、認知症が誰しもがなり得るものであると説明されている。認知症の人を支援対象としてだけでなく、家族や本人と共に施策を立案・実施・評価していく姿勢が示された。

委員の意見

 藤田和子委員(日本認知症本人ワーキンググループ代表理事)は、「希望を持って生きる」を「希望を持って生きることができる」に修正する提案を行い、確実に希望を持って生きることが可能であると強調すべきとした。鎌田松代委員(認知症の人と家族の会代表理事)も新しい認知症観の導入を評価した。江澤和彦委員(日本医師会常任理事)は、この認知症観が普遍的であり、しっかりと検討して世に打ち出す必要があると述べた。

第1期計画の重点目標

 素案では、2029年度までの「第1期計画」の重点目標として以下が掲げられた。

・国民一人ひとりの認知症や認知症の人への理解が進んでいること。

・認知症の人の生活において、その意思等が尊重されていること。

・認知症の人・家族等が他の人々と支え合いながら地域で安心して暮らすことができること。

・国民が認知症に関する新たな知見や技術を活用できること。

これらの目標の達成に向けて、認知症施策の効果を評価するための関連指標(KPI)が設けられ、「プロセス指標」「アウトプット指標」「アウトカム指標」の3段階で目標の設定がされることとなる。

基本計画の施策

 会議では、基本計画の基本的施策の素案も示された。具体的には、認知症の人の社会参加を促進するピアサポート活動の推進や、良質で適切な保健医療・福祉サービスを途切れなく提供する体制の整備などが含まれている。

 

参考資料:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ninchisho_kankeisha/dai4/gijisidai.html