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速報(JS-Weekly)

介護福祉士国試、分割して合否判定へ検討開始

#介護福祉士国家試験パート合格の導入に関する検討会 #再受験免除

 厚生労働省は、介護福祉士国家試験の筆記試験を13科目から複数のパートに分割し、それぞれ合否を判定する仕組みを導入する方針。合格したパートについては再受験を免除し、現場で働きながら介護福祉士を目指す人や、在留期間の制約で受験機会が限られる外国人に対して、受験しやすい環境を整備することを目指している。

 介護福祉士国家試験の受験者数は減少傾向にある。全体の8割を占める「実務経験ルート」の受験者数は、2018年度のピーク時には8万5196人だったが、2022年度には6万8769人まで減少している。受験者数の確保は大きな課題となっている。

 厚労省は新たに「介護福祉士国家試験パート合格の導入に関する検討会」を設置し、5月17日に初会合を開いて議論を開始した。筆記試験の科目の分け方など、具体的な仕組みを数回議論し、今秋に報告書をまとめる見通し。検討会は非公開で行われ、国家試験の中立公正な実施を阻害しないためとしている。

 厚労省の別の検討会が3月にまとめた報告書では、新たな仕組みの導入を提言していた。この報告書では、再受験する場合、不合格だったパートの学習に集中できる利点があると説明し、介護福祉士の知識・技能の低下につながらないような対応も求めている。

 パート合格の導入により、介護福祉士資格取得を目指す人々にとって、より柔軟で負担の少ない制度となることが期待される。介護人材の確保と質の向上を図るため、今回の検討は重要な一歩となる。

参考資料: https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001252763.pdf