最新制度解説

速報(JS-Weekly)

〈福祉医療機構〉

社会福祉法人全体の経営状況、サービス活動増減差額比率が前年度比で0.8ポイント低下

JS-Weekly No.921

#社会福祉法人 #経営状況

介護主体法人のサービス活動増減差額比率、設立経過年数が長くなるほど低下傾向

 福祉医療機構は3月18日、貸付先の社会福祉法人の令和4年度の経営状況、主たる事業別の経営状況、人材確保の状況を分析し、リポートを公表した。主な内容は次の通り。

①令和4年度の社会福祉法人の経営状況

 サービス活動収益対サービス活動増減差額比率(以下、サービス活動増減差額比率)は1.7%(前年度比0.8ポイント低下)、経常収益対経常増減差額比率は1.9%(前年度比0.7ポイント低下)となった。
 費用の内訳をみると、サービス活動収益対人件費率(以下、人件費率)は横ばいだが、サービス活動収益対経費率(以下、経費率)は、前年度から0.9ポイント上昇した。従って、経営が悪化した主な要因は、昨今の物価高騰による経費率の上昇であることは間違いない。また、赤字法人は、黒字法人に比べて人件費率や経費率が高いと指摘している。

②主たる事業別の経営状況

 令和4年度のサービス活動増減差額比率は、介護主体法人、保育主体法人、障害主体法人全てで低下し、中でも介護主体法人は0.7%(前年度比1.0ポイント低下)という結果で、設立経過年数が長くなるほど低下傾向にあった。

③人材確保の状況

 近年、1法人当たりの従事者数は増加傾向が続いていたが、「人材確保難」の影響により令和4年度は119.9人(前年度比0.6人減)とわずかに減少に転じた。
 採用率・離職率をみると、介護主体法人の数値は採用率14.3%・離職率14.8%で、いずれも他の法人より高いことから、人材の入れ替わりが激しいと分析している。
 経営サポートセンターリサーチグループの濵谷真之氏は、「厳しい経営環境の中、令和6年度の介護報酬改定は+1.59%、障害福祉サービス等報酬改定は+1.12%のプラス改定となった。改定率に含まれている職員の処遇改善を進めつつ、社会福祉法人の経営を後押しする結果になることが望まれる」とした。

参考資料