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速報(JS-Weekly)

〈全国老施協〉

第6回正副会長・委員長会議(拡大)開催 介護報酬改定に係る審議会での審議経過と問題点を共有

JS-Weekly No.905

#介護報酬改定 #補正予算

厳しい状況は変わらずとも生き残っていくために力を合わせ要望・陳情を

 全国老施協は11月17日、「第6回正副会長・委員長会議(拡大)」をテレビ会議で開催した。

 大山知子会長は開会のあいさつで、各ブロックで開催されている研究大会について「直近では、島根県で開催された中国地区老人福祉施設研修大会に参加した。他のブロックも同様だが、地域の特徴を感じた。大変充実した会議であり、どのブロックも大成功だったと思う」と語り、各ブロックの活動を讃えた。

 そのだ修光常任理事は「いよいよ報酬改定の議論も大詰めだが、20日から始まる補正予算案の審議では、物価高騰対策と職員の賃金アップの財源について盛り込んでもらわなければならない。交付金がわれわれの施設の運営に与える影響は非常に大きい。これまでのように、市町村によって支給の方法や額が大きく違うのは望ましくない形。全国一律みたいな形としてもらえないものかなど、大山会長を中心に陳情をしている。まずはこの補正予算で、全国老施協の会員施設がしっかりと運営していけるよう成果を上げられるよう力を合わせていこう」と呼び掛けた。

介護報酬改定に係る審議会の審議経過と問題点を共有

 令和6年度介護報酬改定に関わる審議は、サービスごとの各論に入っており、11月16日の介護給付費分科会では、特別養護老人ホームについて議論された。全国老施協からは、介護給付費分科会には古谷忠之参与、介護保険部会には小泉立志副会長が出席している。今回は、これまでの経過について、補正予算案も含めた以下の資料を確認。特に議論が必要な点について問題点を共有した。

①特別養護老人ホーム(改定の方向性)

  • 急変時の対応については、施設・配置医師・協力病院の3者でその役割分担を協議し、緊急時等対応マニュアルに反映してはどうか。また、配置医師緊急時対応加算の見直しも必要。
  • 透析が必要な入所者について施設職員が送迎を行う場合、報酬上で評価してはどうか。
  • 小規模特養の経過的単価については、令和6年度介護報酬改定においては通常の基本報酬への統合は行わず、引き続き実態把握が行われる。ただし、離島・過疎地域以外に所在し、広域型の特養と一体的に運営されている小規模特養は、1年間の経過措置を設けたうえで、通常の基本報酬に統合される見通し。
  • 協力医療機関との連携体制の構築義務化について、施設側の義務とするのは厳しい。

②短期入所生活介護(改定の方向性)

③通所介護(改定の方向性)

④複合型サービス(訪問介護と通所介護の組み合わせ)

  • 地域密着型サービスの趣旨を踏まえ、登録定員を29人以下とする案について、登録定員29人とした場合に経営が成り立つかどうかという疑義。

⑤特定施設入居者生活介護(改定の方向性)

⑥介護人材の処遇改善等(改定の方向性)

  • 3種類の加算が一本化されても、4段階に分かれていることから、段階を上げるために必要な手続きなどが都度必要であり、現場の負担軽減にはならないのではないか。

⑦介護報酬改定の施行時期について

⑧令和5年度介護事業経営実態調査結果

⑨給付と負担について

⑩補正予算案①介護サービス事業所・施設等への支援に関する「重点支援地方交付金」等のさらなる活用について

⑪補正予算案②「デフレ完全脱却のための総合経済対策」および令和5年度補正予算案の決定について

  • 事業スキームは示されたが、地域格差の是正にはなっていない。さらなる検討が必要である。

委員会・部会の活動報告 主要ポイント

総務・組織委員会
  • 10月末に都道府県指定都市老施協・デイ協事務局へ改訂した入会促進パンフレットを送付。
  • 入会促進重点地域(福島県、埼玉県、千葉県、東京都、三重県、滋賀県、福岡県、宮崎県)で入会促進キャンペーンを開始。
広報委員会
  • 第16回介護作文・フォトコンテストの応募作品の剽窃等チェックが完了。最終作品数は4712件。
  • 「老施協.com」の令和6年からの保守運用業者を選定。
特別養護老人ホーム部会
  • 6役会議を開催(11月10日)し、経営戦略セミナーにおける役割等や建て替え補助に関する調査について検討。
  • 離島・過疎地域における小規模特養の事業継続モデル研究事業第2回研究会に向けた事前打ち合わせを開催(10月30日)。
養護老人ホーム部会
  • 養護老人ホーム被措置者数等調査を非会員を含む922施設を対象に実施(11月13日現在の回答率49.5%)。締め切りは12月1日。
  • 養護老人ホーム職員研修会「“困難”事例検討会」は、第1回(11月14日・令和6年2月27日)43名が参加。第2回(12月21日・令和6年3月18日は51名が参加予定。
軽費老人ホーム・ケアハウス部会
  • ブロック代表者会議を開催(11月21日)。本会からの報告事項・情報提供をはじめ各ブロック・地域における現状と課題を収集する予定。
  • 軽費老人ホーム・ケアハウス職員研修を令和6年1月16日開催予定。定員60名に対して40名超の申込あり(11月16日時点)。申込締切は12月8日(先着順)。
介護人材対策委員会
  • 4役打ち合わせを開催(11月17日)し、令和5年度事業について協議。
    ①人材紹介手数料実態調査事業、②介護人材復職支援プログラムWeb配信事業、③介護人材定着研修、④介護人材確保総合セミナー、⑤介護職のイメージ向上発信事業、⑥介護人材確保における情報提供事業。
女性キャリアアップ推進部会
  • 第1回4役会議を開催(11月18日)し、女性のキャリアアップに関して会員施設および職員の意識実態を明確化することを目的としたアンケート調査や、介護人材確保総合セミナー内の女性キャリアアップ枠のテーマと講師選定について協議。
ロボット・ICT推進委員会
  • 介護ロボット・ICT利活用セミナー事業の進行について動画撮影を実施(12月5日)し、対談内容については『月刊老施協』に掲載予定。
  • デジタル化ボトムアップ支援事業の後期の実地研修を開始(参加施設数36施設、参加人数123名)。
老施協総研運営委員会
  • 4役会議(11月2日)で、①医療・介護連携事業と②地域包括支援センター調査について協議。

    ①1)令和6年度介護報酬改定での要望(特別養護老人ホームの医療アクセスの向上)に至るまでの経緯を確認。
    2)特養の医療対応に関するアンケート調査の結果。
    3)老健事業(特別養護老人ホームの配置医師と協力医療機関の連携体制や役割分担に関する調査研究事業)の追加ヒアリング調査対象施設を選定。
    4)4役会議を踏まえて第1回医療・介護連携ワーキングチームを開催(11月20日)。

    ②先行実施している調査結果の要点を確認し、今後のヒアリング項目を検討。

大会・フォーラム委員会
  • 第2回全国老人福祉施設大会・研究会議~JSフェスティバル in 岐阜~の申し込み状況は、11月20日時点で現地参加1393名、オンデマンド配信145名。11月1日付で、各都道府県・指定都市老施協・デイ協宛てに参加申し込み周知の依頼文書を再送。会員施設向けにも参加申し込み促進依頼文書を発出。
JS次世代委員会
  • 4役会議(10月31日)で、第2回全国老人福祉施設大会・研究会議~JSフェスティバル in 岐阜~で開催する次世代ワールドカフェについて協議。その他の議題は、代表者会議、JS次世代ワールドカフェ in 鹿児島、令和6年度事業計画。
災害対策委員会
  • 全国老施協DWAT関連事業の登録状況を報告。11月17日現在、1都1道30県2市より1231人が登録。北海道が新規登録。
  • BCP作成後における研修動画を制作、12月1日にHP公開予定。
  • 災害対策本部設置および運営マニュアル・設置要綱・Q&A・スキーム・登録様式を見直し、修正。
  • 令和5年度全国老施協DWAT養成基礎研修を12月15日に開催予定。