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〈政府〉

第227回介護給付費分科会、介護報酬改定の施行時期等について議論

JS-Weekly No.899

#介護報酬改定

 厚生労働省は10月11日、「第227回社会保障審議会介護給付費分科会」を開催した。

 今回は、「令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和5年度調査)の結果(速報値)」並びに令和6年介護報酬改定に向けて「基本的な視点(案)」及び「介護報酬改定の施行時期」について議論が交わされた。

 特に報酬改定施行時期をこれまでどおり4月とするか診療報酬に合わせて6月とするかについて、主に医療系サービス事業者側が6月を主張したのに対し、当会及び自治体代表者等は4月を主張し、意見が分かれた。

 協議事項は下記の通り。

  1. 令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和5年度調査)の結果(速報値)について
  2. 令和6年度介護報酬改定に向けて
    ・基本的な視点(案)
    ・介護報酬改定の施行時期

古谷参与、協議事項について以下のとおり意見

1.令和3年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査(令和5年度調査)の結果 (速報値)について
  • 介護サービス事業者における業務継続に向けた取組状況の把握およびICTの活用状況に関する調査研究事業
     BCPの策定状況について未策定未着手の施設が17.1%あるため、これらの施設が早急に対応できるような支援をお願いする。
  • 個室ユニット型施設の整備・運営状況に関する調査研究事業
     この調査研究事業を基に、ユニットでのサービスの質の維持、人員配置、兼務要件等に関して将来的に持続して運営ができるよう検討をお願いする。
  • 認知症介護基礎研修受講義務付けの効果に関する調査研究事業
     この調査研究事業で、認知症介護基礎研修の受講の効果が示されているが、未だに受講できていない職員がいるため、未受講者への支援について早急に実施するようお願いする。
2.令和6年度介護報酬改定に向けて

ア)基本的な視点(案)
 介護サービス提供体制を維持・確保するためには、適切な介護報酬とすることが必須である。
 全国老施協が実施した令和4年度の収支状況調査の速報値によると、赤字経営の特養が急増し、補助金を除いた場合で6割を超え、補助金を含む場合でも5割を超えるに至っている。また、収支差率は、補助金を除くと△2.8%、補助金を含んでも△0.5%と初めてのマイナスとなった。
 施設の経営努力だけでは限界に来ており、介護事業からの事業撤退の増により地域の介護基盤が崩壊してしまうことを懸念する。
 このため令和6年度介護報酬改定では大幅なプラス改定をお願いしたい。

イ)介護報酬改定の施行時期
 介護報酬改定の施行時期については、6月ではなく、従来通り4月施行とするようお願いする。
 上記の経営実態に加え、昨今の物価高騰、人件費の上昇を踏まえると、一刻も早い介護報酬のプラス改定を実現すべきと考える。

他の委員からは下記のような意見が述べられた。(一部抜粋)

  • 介護分野の人材流出を防ぐため、これまで以上の介護の魅力ややりがいの発信、処遇の改善が必要。今回の改定において大幅な処遇改善がなされるよう希望する。
  • 介護報酬改定の施行時期を6月とする場合、例えば処遇改善加算の見込み額の算定が難しくなること等が想定される。介護現場や自治体の事務負担等の増加や混乱が生じない配慮をお願いする。
  • 介護報酬改定の施行時期について、利用者のわかりやすさや4月とした場合の事業者の診療報酬との時期のずれによる取り扱いの混乱を踏まえると診療報酬と同時期の6月とすることが適切ではないか。

参考資料