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速報(JS-Weekly)

〈日本介護クラフトユニオン〉

「2023年度就業意識実態調査」の結果を公表 夜間・深夜勤務、心身に重い負担

JS-Weekly No.894

#就業意識実態調査

休憩が取れない組合員、ほぼ半数。「疲れが取れない」「不安」などの回答多数

 介護職の労働組合であるUAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)は8月30日、「2023年度就業意識実態調査」の結果を公表した。この調査は、介護職の勤務間インターバルや夜間・深夜勤務の実態などを調査したもので、月給制・時給制組合員計8727名のうち6010名の回答を集計した。

 主な調査結果は次の通り。

 夜間・深夜勤務について、「夜間・深夜勤務の時間中に休憩の時間は取れているか」という質問に対し、「取れていない」と回答した月給制組合員は43.3%、時給制組合員は53.0%であった。このうち「取れていない」理由(複数回答)を聞くと、月給制・時給制組合員のいずれも「1人夜勤のため職場から離れられないから」という回答が最も多かった。

「夜間・深夜勤務によって、あなたの心身状態に悪い影響はあったか」という質問に対し、「影響がある」と回答した月給制組合員は52.2%、時給制組合員は37.2%であった。このうち「どのような影響があったか」という質問(複数回答)には、月給制・時給制組合員のいずれも「疲れが取れない」という回答が約8割で最多であった。

「夜間・深夜勤務の時に何を感じるか」(3つ以内選択)という質問に対し、「体力的(または年齢的)にきつい」「不安」「緊張する」などが多く、特に時給制組合員では「不安」「緊張する」が「体力的(または年齢的)にきつい」 を上回り、3割を超えていた。

 また「夜間・深夜勤務を安心・安全に働くためにはどんな対策が必要か」(複数回答)という質問には、月給制・時給制組合員のいずれも「夜勤の人数を増やす」「休憩時間をきちんと取れるようにする」「次の日の休みをきちんと取れるようにする」「緊急時の体制を整える」などの回答が多かった。

 調査結果に対し、村上久美子副会長は「夜勤の時間に休憩が取れていない人がいる」という実態を特に注視。特にグループホームで働く組合員は「1人夜勤のために休憩が取れない」という意見が多かったが、介護報酬改定の議論では「AI、介護ロボットを活用することでグループホームの夜勤の人員基準を緩和してもよいのではないか」という意見も出ている。「人材不足によって、夜勤の勤務体制は本当に脆弱になっている現状を知ってもらいたい」と危機感を募らせた。