最新制度解説

速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

厚労省、福祉用具の貸与・販売の選択制を正式に提案 次期改定への反映を目指す

JS-Weekly No.893

#福祉用具貸与・販売 #介護報酬改定

比較的安価なつえ、歩行器、手すり、スロープなどを対象に

 厚生労働省は8月28日、「第8回介護保険制度における福祉用具貸与・販売種目のあり方検討会」を開催し、「福祉用具貸与と販売の選択制」について、導入に向けた検討を委員に正式に要請した。今後詳細を議論し、令和6年度の介護報酬改定への反映を目指す。

 現在の介護保険制度では、福祉用具の利用は「福祉用具貸与」を原則とし、貸与になじまない入浴や排せつに関連した用具のみが「特定福祉用具販売」の対象となっている。

 厚労省では、利用者の自己負担軽減や介護費用抑制の観点から一部の貸与品目について選択制の導入を提示。今後検討を進める上での論点を次の3つに整理し、具体的な案を示した。

①選択制の対象とする種目・種類

  • 比較的安価で、ある程度中長期の利用が想定されるつえ、歩行器、手すり、スロープなどとしてはどうか

②選択制の対象者の判断と判断体制・プロセス

  • 対象者選定は困難なため限定しない
  • 導入の検討にあたり介護支援専門員または福祉用具専門相談員が、サービス担当者会議等で貸与か販売かを提案し、利用者との合意形成につなげる。その後も6か月ごとにサービス担当者会議等で貸与か販売かの切り替えを協議する

③貸与または販売後のモニタリングやメンテナンスなどのあり方

  • 選択制対象の福祉用具を販売した場合、福祉用具専門相談員が必要に応じメンテナンス等を行う
  • 選択制対象の福祉用具を貸与した場合、福祉用具専門相談員が6か月に1回以上モニタリングを行い、使用方法や使用頻度、使用上の課題などを記録した上で、利用者や介護支援専門員に交付する

 検討会では、厚労省の提案に賛同する声もある一方で、慎重論も相次いだ。厚労省ではこうした意見を踏まえ、今後の議論で具体策を詰めていく方針だ。

参考資料