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速報(JS-Weekly)

〈総務省〉

高齢者の身元保証等高齢者サポート事業、総務省が初の実態調査

JS-Weekly No.891

#身元保証等サポート事業 #危機管理

重要事項説明書の作成は2割、事業者の契約手順などにも課題

 総務省は8月7日、身寄りがなかったり、親族と疎遠であったりする高齢者を対象とした「身元保証等高齢者サポート事業」に関する初の実態調査の結果を公表した。身元保証等高齢者サポート事業は、入院・施設等の身元保証のほか、日常生活支援、葬儀や遺品処分など死後の対応といったサービスを行うもの。調査は、インターネットや聞き取りで把握できた412事業者のうち、協力の得られた204社を対象とした。それによると、サービスの提供にあたり、契約内容の重要事項説明書を作成している事業者は21.2%にとどまった。また、契約時に弁護士やケアマネジャーなど第三者が立ち会うことにしている事業者は68.2%だが、軽度の認知症の高齢者が内容を十分に理解しないまま契約を結んでいた事例もあった。このほか、法人代表者の個人名義の口座で管理するなど管理に問題のある事例や、高齢者の判断能力が不十分になったあとも成年後見制度移行の手続きがとられていないなどの事例もあった。

出典:総務省

消費者保護の推進や事業の健全な発展のため必要な施策の検討を

 高齢化や単独世帯の増加により身元保証等高齢者サポート事業の事業者は急増し、今後も需要の増加が見込まれるが、事業を直接規律・監督する法令や制度はないのが現状。しかし、対象は判断能力の低下も想定される高齢者であり、死後のサービスも含み契約期間は長期にわたる。また、サービス提供方法や費用体系は多様で、契約金額も最低100万円など高額となる。総務省は、こうした事業の特徴を踏まえると、一般的な契約よりもさらに消費者保護の必要性が高いと問題を提起。公正な契約手順の確保や預託金の管理方法・返金方法のルール化、費用・料金内容の一層の明確化などが必要として、厚生労働省や消費者庁、法務省に対し、事業の健全な発展のため必要な施策を検討するよう通知した。

参考資料