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速報(JS-Weekly)
〈国立がん研究センター〉
排便習慣が将来の認知症発症に関連か 便秘気味の人は発症リスクが上昇
JS-Weekly No.891
#排便習慣 #便秘 #認知症
便の性状も発症リスクに影響。「特に硬い」人は約2倍に上昇
国立がん研究センターの予防関連プロジェクト「JPHC Study」の報告によると、便が硬く、排便の回数も少ない便秘気味の人は、将来、認知症を発症するリスクが高いことが分かった。将来の認知症の発症に排便習慣が関連することを示した初の研究で、同センターの多目的コホート研究班が国際専門誌に発表した。
研究班は、秋田県、長野県、茨城県、高知県、沖縄県の5つの保健所管内に住む人を対象に、生活習慣と病気との関連性を調査している。今回、平成12年と15年に排便習慣に関するアンケート調査に回答した人(50〜79歳の男性約1万9000人と女性2万3000人)を追跡調査した。その結果、要介護認定情報(平成19〜28年)から、男性1889人(9.7%)、女性2685人(11.7%)が認知症と診断されていたことが判明した。
排便習慣と認知症発症との関係性を分析した結果、排便回数が「1日1回」と回答したグループに対して、「週3〜4回」の男性で1.46倍、女性で1.16倍、「週3回未満」の男性で1.79倍、女性で1.29倍と、発症リスクが上昇した。
便の性状については、「普通の便」と回答したグループに対して、「硬い」と回答した男性で1.30倍、女性で1.15倍、「特に硬い」と回答した男性で2.18倍、女性で1.84倍と、発症リスクが上昇した。
研究班によると、排便の頻度が少なく性状も硬いと、便が腸内に長く留まるようになる。この結果、腸内細菌の代謝産物である短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸など)が減少し、酸化ストレスや全身性炎症を起こしやすくなり、認知症の発症リスクが高まると推定している。