最新情報
速報(JS-Weekly)
〈厚生労働省〉
厚労省、訪問+通所の新複合型サービスの創設を検討 多くの介護事業所が参入の意向
JS-Weekly No.881
#複合型サービス #介護報酬改定
サービス提供の課題は「人材確保」など。より柔軟な運営基準の設定が必要
厚生労働省は令和6年度の介護報酬改定において、複数の在宅サービス(訪問や通所系サービスなど)を組み合わせて提供する複合型サービスの創設を検討している。昨年度に国が実施したアンケート調査の結果では、多くの介護事業所が条件付きで参入を前向きに検討していることが明らかになった。調査対象は、訪問系サービス事業所(訪問介護や訪問看護など)、通所系サービス事業所(通所介護、地域密着型通所介護など)、居宅介護支援事業所で、全国4686事業所から回答が得られた。
「複合型サービスが創設された場合、どのような条件であれば参入を検討したいと考えるか」(複数回答可)という質問に対し、訪問系サービス、通所系サービス共に、「事業所の収入が増えるなら参入を検討したい」や「職員の確保ができれば参入を検討したい」と回答した割合が約半数で、「参入を検討するつもりはない」は3割以下であった。
事業所の想定される課題として、複合型サービスの提供にあたっての課題では、「人材教育・管理が難しい」「人材確保が難しい」と回答した割合が高かった。また、ヒアリング調査からは、職員の残業が増える懸念があることや、訪問系サービスと通所系サービスの両方の業務に従事できる職員を確保することが困難などの意見が挙がった。
新たな複合型サービスの創設は、介護人材不足が深刻化している中、貴重な既存資源をより有効に活用していくことが目的。厚労省は、昨年末の社会保障審議会介護保険部会において、「より働きやすく効率的なサービス提供の在り方を検討する必要がある」と、今後の制度改正に向けてまとめた意見書に方針を盛り込んでいる。