最新制度解説

速報(JS-Weekly)

〈政府〉

介護保険法の改正を含む「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための法律案」が可決、成立

JS-Weekly No.878

#介護保険法改正

介護サービス事業者に財務状況の報告を義務付け、財務状況を見える化

 介護保険法の改正を含む「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」が5月12日、参院本会議において賛成多数で可決、成立した。

 後期高齢者の医療保険料の引き上げなどを盛り込んだ健康保険法の改正を柱に、介護保険法を含む28の法律が一括改正された。介護保険法の改正概要は次の通り。

①介護情報基盤の整備
 ※詳細は下記参考資料の10ページ参照
 被保険者の介護情報などを共有・活用することを促進する事業を地域支援事業に追加。事業は医療保険者と共同して国保連や支払基金に委託可能
②介護サービス事業者の財務状況の見える化
 ※詳細は下記参考資料の7ページ参照
 介護サービス事業者に対し、詳細な財務状況を会計年度ごとに都道府県知事へ報告することを新たに義務付け。国がその情報を収集・整理し、分析した情報を公表
③介護サービス事業所等における生産性の向上に資する取組に係る努力義務
 ※詳細は下記参考資料の14ページ参照
 都道府県に対し、介護サービス事業所・施設の生産性の向上に資する取組が促進されるよう努める規定を新設
④看護小規模多機能型居宅介護のサービス内容の明確化
 ※詳細は下記参考資料の16ページ参照
 看護小規模多機能型居宅介護のサービス内容に看護サービスが含まれる旨を明確化
⑤地域包括支援センターの体制整備等
 ※詳細は下記参考資料の6ページ参照
 要支援者のケアマネジメント(介護予防支援)について、居宅介護支援事業者が市町村から指定を受けて実施可能に(今までは指定介護予防支援事業者からの委託により実施)

 介護サービス事業者の財務状況の見える化では、国が介護サービス事業者の経営情報をデータベース化して傾向を把握し、3年に一度の介護報酬改定や介護職員の処遇改善などにつなげていく狙いもある。今後、報告の範囲や方法などの詳細を詰めていく。

 改正介護保険法の施行は、令和6年4月1日。附帯決議には、「事業者の事務負担の軽減策もあわせて講じること」との要請が盛り込まれた。

参考資料