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全国老施協、令和5-6年度代議員・予備代議員を承認 令和5年度は新規19事業を計画 ほか
2023.04 老施協 MONTHLY
全国老施協、令和5-6年度代議員・予備代議員を承認
令和5年度は新規19事業を計画
POINT
- 20事業を廃止、19事業の新規立ち上げ。諸事業の「深化」を目指す
- 喫緊の課題として臨む物価高騰対策と次期介護報酬改定
3月22日、第48回全国老施協総会が開催された。代議員総数119名のうち、出席者55名、議決権行使書提出者58名、代理出席者2名、委任状提出者1名、欠席者3名で定足数に達し、成立した。
冒頭のあいさつで、平石朗会長は、今期の代議員をねぎらいながらも「新型コロナウイルス感染症もまだ終息したわけではなく、物価高騰対策などの課題も残されている。新たに活動の中心となってくれる方々に、しっかり引き継ぎをしたい」と語った。
今回提出されたのは「令和5年度事業計画(案)」などを含む以下の4議案で、全て可決承認された。
第1号議案:令和5-6年度代議員および予備代議員の選出について
全国各地で実施された「令和5-6年度代議員選挙」については、119名中117名の代議員・予備代議員候補者が選出(3月22日現在)され、今総会で承認された。
第2号議案:令和5年度事業計画(案)について
《基本方針》
事業評価報告書で示された事業と財源の「選択と集中と再配分」の視点も勘案し、次の3点に留意しながら、諸事業の深化に努める一年とする。
- 留意点①
事業の優先順位の設定と廃止、停止、縮小の実施 - 留意点②
具体的かつ検証可能な目標設定 - 留意点③
訴求力のある事業の実施
《重点事項》
- 令和6年度介護報酬改定に向けた取り組み
介護現場が直面する諸課題を的確に捉え、強固なエビデンスに基づき国に提言を行う。 - 経営力の強化
経営状態が悪化している施設・事業所に経営力強化につながる支援や、他機関と連携した経営診断サービスの利用を支援。また、過疎地域における高齢者施設・事業所存続のためのモデルケースを検討する。 - 会員への情報提供力の向上
会員にとって有益な情報をタイムリーに提供するとともに、ホームページの機能を見直し、分かりやすい情報提供方法の実現や各種相談機能の統合等に努める。
そのほか、他団体との連携強化や、都道府県指定都市老施協・デイ協への支援、役割分担の検討を行う。
第3号議案:令和5年度収支当初予算(案)について
近年コロナ禍の影響を受け、収支差額がマイナスになっていたが、通常予算となった。
第4号議案:資産運用計画(案)について
報告資料については以下の3点が提出された。
- 代議員等の選出に係る制度検討特別委員会検討結果について
- 令和5-6年度会長選挙について
- 令和4年度事業報告書(案)
第12回正副会長・委員長会議(拡大)開催
介護報酬改定と物価高騰対策など課題を共有
POINT
- 次期介護報酬改定へ向け、さらに積極的な活動を展開していく
- 介護報酬プラス改定を待てない事業所経営と給与UPの問題
全国老施協は3月16日、「第12回正副会長・委員長会議(拡大)」をテレビ会議で開催した。開会に先立ち平石朗会長は、加藤勝信厚生労働大臣との意見交換など次期介護報酬改定に向けての働き掛けについて近況を報告。「今後も高齢者介護の現場や高齢者施設が置かれている現状について、強く訴えていく」と語った。
そのだ修光常任理事は、「物価高騰に対する国の施策を6月の『骨太の方針』に盛り込んでもらわなければならない。厳しい経営状況が続いている介護事業所は次の報酬改定まで持たないのではないか」と、いまだ厳しい状況下にあることを強調。また、桝田和平参与は、ベースアップを巡り春闘が繰り広げられていることに触れ、「介護事業所等は、『介護報酬が上がらないから昇給なし』なのか、『わが身を切って昇給する』のか。各法人の意思決定が問われるとき。他業界との給与格差が広がればさらなる人材不足につながりかねない」と喫緊の課題を示した。「今こそ全国老施協の会員が一致団結してアピールし、会員のためになるような成果を勝ち取っていきましょう」(そのだ氏)。
特別講演は、弁護士の長野佑紀氏による、多くの判例を交えたコンプライアンスセミナー「高齢者福祉施設・事業所における虐待の防止について」であった。
イノベーティブ思考で介護現場をガラリと変える!?
令和4年度カントリーミーティング 全国で開催
POINT
- イノベーティブ思考で発想する「見たことも聞いたこともない」介護の方法
- 絞り込んだアイデアの妥当性をどう試す?「プロトタイピング」の考え方
全国老施協21世紀委員会は、令和4年度カントリーミーティングを開催し、延べ約290人が参加した。
テーマは「見たことも聞いたこともない、介護現場の○○をガラリと変える方法」。広瀬毅氏(合同会社JudgePlus代表)の指導の下、Zoomとホワイトボードアプリ“miro(ミロ)”を駆使し、「システム思考×デザイン思考」でワークショップを展開していった。
各チームで、自由にさまざまな視点から抽出したアイデアを絞り込み、CVCA(顧客価値連鎖分析)後、プロトタイピングでその妥当性について考察する。明日すぐに試せる方法を考えることで、自由な発想を、実際の介護現場に落とし込むことが期待できる。
参加者の感想
「固定観念にとらわれないような、論理的な考え方を学べ実践の大切さを楽しく学べた。ロジック思考は介護現場職員にも広がることで、新たな気付きや問題解決が可能となると思われる」
「ブロックを超えたカントリーミーティングは、普段接することがない他のブロックとの交流を図ることができるため有意義であった」
令和4年12月9日 | 東北・四国ブロック | 入浴 |
令和5年2月8日 | 北海道・東海北陸ブロック | 食事 |
令和5年2月15日 | 関東・九州ブロック | 睡眠 |
令和5年2月22日 | 近畿・中国ブロック | 移動 |
令和4年度養護老人ホームブロック代表者会議を開催
地域の福祉を守り地域に福祉を還元する灯を消さない
POINT
- 都道府県指定都市懇談会での意見や現状を全国の課題として集約
- 現状に見合った適正な措置費に向けた運動の展開を
養護老人ホーム部会は3月7日に、WEB型と対面型によるハイブリット方式にてブロック代表者会議を開催した。会議には厚生労働省から老健局高齢者支援課課長補佐の日野氏ほか2名が出席し、WEB上では全国の会員施設から約80名が傍聴した。
会議では冒頭、大山知子副会長より「各地域の諸課題を国に上げて解決していきたい」とあいさつがあった後、利光弘文養護老人ホーム部会長から養護老人ホームを取り巻く状況等の情報提供と、全国老施協から処遇改善と被措置者数等調査等の報告が行われた。その後、昨年12月よりブロック単位で行ってきた都道府県指定都市懇談会を踏まえ、各ブロックの代表者から各地の現状と課題等が報告された。その中では、いわゆる「措置控え」は地域によって差がある、定員割れが常態化している、入所者の多様化により職員の負担が増加している、物価高騰により経営が悪化している等の厳しい現状が挙げられた。
これに対し、厚生労働省の日野氏からは、地域の社会資源としての重要な役割を担っている養護老人ホームについて、今後も全国老施協と共に考えていくことや、物価高騰対策も各地域の実状に応じた対応を行った上で検討していくこと等のコメントがなされた。
第2回軽費ケアハウスブロック代表者会議を開催
事務費補助金の改定や制度見直しへの始動時期
POINT
- 物価高騰対策の地域差は大、定額の中での工夫には限界
- 実態を常に明らかにしてエビデンスに基づいた要請が必要
軽費老人ホーム・ケアハウス部会は3月9日、ブロック代表者会議をWEBと対面のハイブリット方式で開催した。厚生労働省より老健局高齢者支援課課長補佐の日野氏ほか2名が出席、全国から約70名の会員施設がWEBにて傍聴した。本会議は昨年11月に第1回を開催して以来、今年度2回目の開催となった。
冒頭、大山知子副会長より「次年度以降の事務費等の改定に向けて有益な情報を提供していきたい」とのあいさつの後、全国老施協より処遇改善や事務費補助金改定等調査等についての情報提供と報告がなされた。その後、各ブロック代表者より各地域の現状と課題が報告された。特に、物価高騰については、給付金の対象から軽費ケアハウスが外されている自治体がある、給付金があっても現状の値上げ幅に追い付いていない、自治体での運用の差が大きいといった内容が出された。その他、生活費や事務費への物価スライド適用や技能実習生の受け入れに関する意見が出された。
それらの意見を受け、日野氏からは、処遇改善と同様に機会を見て通知等による自治体への周知を図ることや、生活費などの問題について今後も現場の声を聞きながら、どのような対策を講じられるか連携をとって検討していきたいとの発言があった。
取材・文=早坂美佐緒(東京コア)
「全国老施協の組織改革の歩み」
平石会長が就任後4年間で行ってきた全国老施協の組織改革の流れについて報告。取り組みの成果と今後の課題について整理した。「政治にどう関わるかという問題などはまだ未解決。他の継続課題とともにみんなで考え、取り組んでいってほしい」(平石氏)。