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速報(JS-Weekly)

〈厚生労働省〉

第106回介護保険部会開催 事業計画の基本指針や介護保険被保険者証などについて議論

JS-Weekly No.868

#第9期事業計画 #マイナカード一体化

厚生労働省は2月27日、第106回社会保障審議会介護保険部会を開催した。協議事項は次の通り。

  1. 基本指針について
  2. 介護保険被保険者証について
  3. 令和5年度 介護給付金の算定について(報告)
  4. 総合事業の充実に向けた検討会(仮称)の設置について(報告)

小泉副会長、第9期介護保険事業計画(基本指針)および介護保険被保険者証について意見

第9期介護保険事業計画(基本指針)について

 介護サービスの基盤整備及び地域包括ケアシステムの深化・推進については、在宅福祉を支える上で通所介護・訪問介護の整備・充実が必要であり、新たな複合型サービスなども検討されている。そのような中で昨年は通所介護・訪問介護の小規模事業所の倒産件数が過去最高という状況であった。コロナ禍・人材不足・物価高騰等様々な要因があったと思うが、運営が可能な適切な介護報酬水準及び食費の基準費用額の検討をお願いしたい。また、生産性向上の観点からも、第9期計画の策定においては、「介護サービス事業所の協働化・大規模化」など、独自性のある経営力の強化に向けた方策が必要と考える。

 物価高騰を受けて、他の産業においては従業員の給与の増額が検討・実施されている。介護業界においても処遇改善加算等の改善や人材不足の解決につながる抜本的な対応がなければ、介護人材確保は今まで以上に困難となる

介護保険被保険者証について

 介護保険被保険者証の電子化については、付加価値もあり、情報の共有や利便性の向上のメリットもあることから、推進する方向性については問題ないと考える。だだし、現段階でも健康保険者証とマイナンバーカードの一体化について様々な意見があり、マイナンバーカードの発行自体も若干の問題を抱えている。情報の入力、情報共有の方法に問題はないのか、施設入所者等のマイナンバーカードの管理・パスワードの管理などの問題について慎重な判断が必要である

 その他、この日の部会では、各委員から以下の意見が述べられた。(一部抜粋)

  • 地域包括ケアシステムの実現に向けた取り組みは地域差がある。必要であるのに確保できない地域密着サービスや実施できない事業について第9期介護保険事業計画の中で確実に確保、実施につながる施策を進めることが必要である。
  • 地域包括ケアシステムの深化・推進を考えていく中で「地域住民」という言葉が普通に使われているが、地域の様子や住民の生活の在り方も大きく変容している。これまでの発想を超えて新しいシステムを作っていかないと対応困難になる。新しい視点をどう作り出すかが重要。
  • 介護保険被保険者証の電子化、マイナンバーカードの活用を進めるにあたっては、要介護度が高い人や申請が困難な人に向けた相談窓口が必要と考えている。人員確保を含めた体制整備の検討をお願いしたい。
  • 介護保険被保険者証の電子化、マイナンバーカードの活用は有効ではあるが、マイナンバーカードだと見に行く、かざすなど何らかの行動をしないと情報が見られないようになっていくと思われる。介護保険に対する住民の認知が下がってしまうのではないかと懸念している。情報に接する機会が低下しないよう配慮をお願いしたい。

参考資料