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速報(JS-Weekly)

〈日本介護クラフトユニオン〉

介護職の平均年収380万円、全産業平均を75万円下回る

JS-Weekly No.868

#介護現場の処遇 #賃金実態調査

平均給与はアップしているが全産業平均には届かず、低い満足度

 UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)は、『2022年賃金実態調査』の結果を発表した。月給制で働く組合員の令和3年の平均年収は約380万円。他産業の賃金が伸び悩む中、政府の処遇改善策などの効果で前年より約17万円増えたものの、全産業平均を約75万円も下回っている。

 調査は令和4年8~9月に、組合員5467人に実施し、3277人(約60%)から回答を得た。回答者のうち月給制で働く人は2134人で、その62.4%が生計維持者であった。

 月給制で働く人の令和4年7月の賃金は、平均約26万1000円で、前年同月比約1万円(約4%)アップしたが満足度では、62.4%が「大いに不満」「少し不満」と答えた。年間一時金(3年冬と4年夏の合計)は平均約39万7000円で、70.5%が「大いに不満」「少し不満」と答えている。

 全体的には賃金は上向いているが、職種による差もあり、入浴オペレーターや福祉用具専門相談員、事務職では不満を感じている割合が多く、80%前後になっている。

 NCCUの染川朗会長は会見で「物価上昇分を反映した報酬改定がなければ、日本全体で賃上げの機運が高まる中で、介護業界が置き去りにされるのではという危機感がある」と述べ、介護職員処遇改善支援補助金では、対象外の職種もある上、政府が見込んだ9000円程度の賃上げでは、全産業平均との格差は是正されない状況であると主張。令和6年に介護報酬改定を控えているがそれを待てる余裕はなく、「令和5年度予算で対応していかなければ、介護業界は働く側から崩壊する。今回の調査結果を通じて、組合員が働く環境を知ってほしい」と語った。

参考資料