最新制度解説

老施協ダイジェスト

第47回総会を開催(集合&オンデマンド配信)代議員選挙における信任投票を廃止 ほか

2023.01 老施協 MONTHLY

第47回総会を開催(集合&オンデマンド配信)
代議員選挙における信任投票を廃止

POINT

  1. 代議員等の選出に係る制度の検討進む。代位議員等選任規定を一部改定
  2. 会長選挙における記名投票の在り方については今年度内に方向性を決定

 全国老施協は12月20日、第47回総会を開催した。代議員総数119名、出席者54名、議決権行使書提出者60名、代理出席者4名、委任状提出者1名、欠席者0名で定足数に達し、成立した。

 冒頭のあいさつで、平石朗会長は、全国老施協が中心となって要望活動を進めてきた要介護1、2の方の総合事業への移行については、12月19日に開催された第105回社会保障審議会介護保険部会において、審議の見送りが決定したことを改めて説明し、総力戦で対応した結果である関係各位に感謝の意を述べた。

 また、組織内議員が不在となった今、他の福祉・介護団体と連携して、様々な課題に対する現場の声を関係省庁や国会に届けていかざるを得ない点に言及。今後の活動については、会員への理解促進に努めながら、全国老施協は介護における専門集団としての立ち位置から、政治的な活動は全国介護福祉政治連盟が中心となり、車の両輪としてそれぞれの活動を活性化させていくと述べた。

(平石朗会長)

第1号議案:令和5-6年度会長選挙及び代議員選挙について…可決承認

 代議員等の選任に関する制度については、全国8ブロック協議会から提出されたアンケートの集計結果を基に制度検討特別委員会で検討を重ね、11月30日に開催された第86回理事会で承認されたもの。

令和5-6年度会長選挙及び代議員選挙から実施予定
  1. 信任投票の廃止…これまで立候補者数が定数以下の場合でも「信任投票」を実施していたが、令和5-6年度代議員選挙以降は、こういった場合の信任投票を廃止し、当該立候補者をもって当選人とする。
  2. 退会予定会員の選挙権…「代議員選挙を実施する年の3月末日までに退会予定の正会員」について、これまで代議員選出等要領において選挙権が認められていなかったが、規程上も明確化する。
検討を継続する事項

 以下の7項目については、理事会や総会等で意見を聞きながら引き続き検討し、令和5年3月または6月の総会をめどに方向性を決定する。

  1. 第1号代議員の定数の基準
  2. 正会員50人未満の選挙区の代議員の選挙方法
  3. 直接入会会員の選挙権・被選挙権
  4. 退会予定会員の選挙権
  5. 選挙の実施の時期
  6. 予備代議員の選任の基準
  7. 法人内全施設加入要件の見直し
会長選挙における記名投票の在り方

 次期選挙に向けて今年度内に方向性を決定する予定。

第2号議案:資産運用計画の修正について…可決承認

 資産取得資金のうちの什器備品取得積立資産に関して、公益認定等委員会より、その運用に誤りがあるとの指摘を受けたため修正を行う。

  1. 積立限度額について…計画期間途中での購入予定機器の追加を行い積立限度額の増額を行っていたことについての説明が不十分であった(平成28年度及び令和3年度)ため、修正。
  2. 計画期間…令和4年度以降の計画について説明が不十分であったため、令和4年度からの計画を修正。
会場の様子

ロボット・ICT推進委員会 導入モデル事業の成果を基に普及・啓発を進め、各介護現場への導入支援へ

POINT

  1. ガイドラインは「JSフェスティバルin栃木」参加者に配布
  2. 1月26日のシンポジウムでは、介護DXの現場への効果や課題を考える

 全国老施協ロボット・ICT推進委員会は、令和3・4年度に行った「全国老施協版介護ICT導入モデル事業」の成果物として『全国老施協版 介護ICT導入ガイドライン』を作成している。また、同事業の概要をまとめたパンフレットの作成を進めており、介護の現場への普及推進ツールとして活用していく。

『全国老施協版 介護ICT導入ガイドライン』は、令和5年1月26・27日の第1回全国老人福祉施設大会・研究会議の参加者への配布が「お披露目」となる。26日に開催するシンポジウム「デジタル介護:ロボット・ICTと共存する次世代の高齢者福祉の魅力」とともに、内外へのアピールの大きな一歩である。

 動画配信のデジタル介護セミナー(実証施設やメーカーが最新の介護DX導入事例を紹介)や先進導入事例動画の再生回数も堅調に伸びている。また、複数の都道府県老施協から、介護ICTの活用に関する講演の依頼があるなど、関心・注目度の高まりが感じられる。

導入モデル事業のオンラインセミナー動画はこちらからご覧ください。


第15回介護作文・フォトコンテスト
史上最多の応募作品から最終審査を実施

POINT

  1. 応募総数6,329作品。介護作文・フォトコンテスト史上最多となった
  2. 孫・ひ孫世代との触れ合いも。若い年代からの応募が増加している

 第15回を迎えた介護作文・フォトコンテスト。今回の応募作品は、①作文・エッセイ部門(554作品)、②フォト部門(674作品)、③キャッチフレーズ部門(4,477作品)、④手紙部門(624作品)。応募総数は6,329作品と、このコンテスト史上最多の応募数となった。また、本年は、募集に際し約1万5000校の小学校・中学校・高等学校に告知を行ったことや、現役のアイドル(AKB48・武藤十夢氏)を特別審査員に迎えた結果、10代からの応募が前回比3倍強であった。

 11月17日(木)〜12月7日(水)に事前審査を行った後、12月19日(月)に最終審査会を行い、全4部門12作品の検討を行った。今後、「武藤十夢賞」「学校賞」「いいね賞」の選出などを行い、受賞作を公表する。

表彰予定の各賞
  • 作文・エッセイ部門
    (一般) 最優秀賞/優秀賞/入選
    (学生) 最優秀賞/奨励賞
  • フォト部門
    最優秀賞/優秀賞/入選/いいね賞
  • キャッチフレーズ部門
    最優秀賞/優秀賞
  • 手紙部門
    最優秀賞/優秀賞/武藤十夢賞
  • 学校賞

全国老施協、令和4年度事業継続等相談支援事業
全6回の集団コンサル&ワーク終了

POINT

  1. 「経営改善計画書」完成によって業績改善に向けた確かな手応え
  2. 他事業所の状況を知ることで見えてきた課題と解決のヒント

 全国老施協デイサービスセンター部会は12月14日、「第6回 令和4年度デイサービス事業継続等相談支援」を開催した。今回で全6回の集団コンサルティングは終了し、今後は個別相談によるフォローアップと報告会を経て、各参加事業所がそれぞれの経営改善計画の第一歩を踏み出していく。

 今回は、完成した経営改善計画の内容を基に、計画の作成過程や背景について、2事業所が発表を行った。その後、全6回の研修内容を振り返り、参加者全員が感想等を述べた。そこでは「外部環境を知ることができ、自事業所の立ち位置が分かった」「自事業所だけでは解決できない悩みが解消できた」「リーダーの意識が変わった」「自事業所の職員と対話する機会が増え、思いを共有することができた」「手探り状態で課題解決を試みてきたが、方向性が明確になった」など、経営改善に向け確かな手応えを感じたというコメントが続いた。

 最後に波潟幸敏デイサービスセンター部会長は「参加者の主体的な参加が質の高い学びとなり、他事業所とのつながりも得られた。難局を打開し突破するために、外に目を向けることの重要性を認識した参加事業所には、『まずはやってみる』という素直な心で経営改善の第一歩を踏み出してほしい」と締めくくった。


管理者向け介護人材定着研修を開催
職員が定着する職場のために管理者ができること

POINT

  1. 職場の良好な人間関係は「人材定着」「人材確保」両方のカギ
  2. 職員の満足度の向上→離職者減→安定したマンパワーの確保

 全国老施協介護人材対策委員会は12月16日、「管理者向け介護人材定着研修」をオンライン(Zoom)で開催した。介護現場の人材不足対策として行っている介護人材研修の一環。株式会社リクルートのHELPMAN JAPANグループの指導の下、現場の管理者に求められる「人材定着」の考え方やマネジメントを学んだ。

 厚生労働省や介護労働安定センターの調査による離職者の勤続年数やその理由をみていくと、入職者に対するフォローに注力し、特に勤続3年未満の離職者を減らすことが、安定した人材確保につながること、そのポイントが「人間関係」であることが見えてきた。

 HELPMAN JAPANの人材育成・定着研修では、離職防止・定着のポイントを階層別に捉える(新人、中堅、リーダー、管理者・施設長)。職員それぞれの階層ごとに管理者として何を見ればいいのか、どのような働き掛けができるのか。カリキュラムには職員の特性による関わり方や面談の際のアプローチのポイントも。「この職場で働きたい」「楽しい」といった職員の満足度の高さは、提供するサービスの質の高さにもつながる。

 研修後半では、おのおの「定着活動促進シート」を作成し、グループワークも行い、その成果をそれぞれの事業所における具体案へと落とし込んだ。


取材・文=見田裕一・早坂美佐緒(東京コア)